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複数チップで高画質を実現:マルチチップ型センサ

写真は、光の量を電気信号に変えることで、形や色を写し取ります。その役割を担うのがイメージセンサと呼ばれる部品です。イメージセンサには様々な種類がありますが、複数の小さな部品を組み合わせた多部品型センサというものがあります。これは、小さなイメージセンサを複数個並べて、大きな一枚の画像を読み取る仕組みです。 一枚の大きなイメージセンサを作るよりも、小さなセンサを複数組み合わせる方が、製造費用を抑えることができます。小さなセンサは製造時の不良品発生率が低いため、大きなセンサを作るよりも歩留まりが良く、結果としてコスト削減につながるのです。また、複数個のセンサで同時に画像を読み取ることができるため、読み取り速度も向上します。まるで複数の目で一度に景色を見るように、たくさんの情報を一度に捉えることができるのです。 さらに、多部品型センサは高い解像度を実現できます。小さなセンサ一つ一つが高性能であれば、それらを組み合わせることで、非常にきめ細かい画像を作り出すことができるのです。例えば、細かい模様の織物や、髪の毛一本一本まで鮮明に写し出すことも可能になります。 このような多部品型イメージセンサは、私たちの身近にある様々な機器で使われています。写真機はもちろん、書類を取り込む読み取り機などにも搭載されており、高画質化に大きく貢献しています。技術の進歩とともに、イメージセンサはますます高性能化し、私たちの生活をより豊かにしてくれることでしょう。
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MOS型センサ:未来へ繋ぐ光

写真の写る仕組み、つまり、光をどのように電気信号に変えて画像にするのかについて説明します。MOS型センサーと呼ばれる部品は、イメージセンサーという種類の電子部品で、光の量を電気信号に変換する役割を担っています。このセンサーは、小さな光の量を感じる部品であるフォトダイオードを、縦横に無数に並べた構造をしています。 それぞれのフォトダイオードは、レンズを通ってきた光を受けると、光の量に応じた電気を作ります。この電気は信号電荷と呼ばれ、小さな入れ物に電気をためるように、フォトダイオードの中に蓄えられます。この信号電荷の量は、フォトダイオードに当たった光の強さに比例します。明るい光が当たれば多くの電気が、暗い光なら少しの電気がたまるのです。 では、蓄えられた信号電荷はどのように読み出されるのでしょうか。ここで活躍するのがMOS-FETと呼ばれる、電気の流れを制御するスイッチです。MOS-FETは、まるで門番のように、信号電荷の通り道を閉じたり開いたりすることで、電気を流したり止めたりします。このMOS-FETを使って、一定時間ごとにフォトダイオードに蓄積された信号電荷を読み出すことで、光の情報が電気信号として取り出されます。 読み出された電気信号は、その後、デジタル信号に変換されます。デジタル信号とは、コンピューターが理解できる0と1の信号のことです。このデジタル信号を処理することで、私たちが見る写真のような画像が作られます。つまり、MOS型センサーは、レンズを通ってきた光を電気信号に変え、最終的に画像として記録するための、カメラにとってなくてはならない重要な部品なのです。