RCペーパー

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進化した印画紙:RCペーパーの魅力

写真の画質を左右する重要な要素の一つに、印画紙があります。印画紙は時代とともに大きく変化し、より高画質、そしてより扱いやすいものへと進化を遂げてきました。古くは、写真用紙の多くは繊維を主原料としていました。和紙や洋紙にも使われる、植物の繊維を絡み合わせて作った紙です。この繊維を使った印画紙は独特の風合いがあり、写真の表現に深みを与えてくれるものでした。しかし、処理に時間がかかるという欠点がありました。現像液や定着液といった処理液は、紙の繊維の奥深くまで浸透していきます。そのため、処理液を洗い流す水洗工程には長い時間が必要でした。水洗が不十分だと、写真の劣化につながるため、念入りな水洗が不可欠だったのです。さらに、水洗後の乾燥にも時間がかかり、一枚の写真を仕上げるまでには、かなりの手間と時間がかかっていました。写真の仕上がりを待つ時間は、趣味で写真を撮る人にとって、もどかしい時間でした。仕事で写真を使う人にとっても、迅速な作業が求められる場合には、大きな課題となっていました。例えば、報道写真など、すぐに現像する必要がある写真では、従来の印画紙では対応が難しいこともありました。 このような状況を大きく変えたのが、RC印画紙の登場です。「RC」とはレジンコートの略で、合成樹脂を塗布した印画紙のことを指します。このRC印画紙は、従来の繊維を主原料とした印画紙とは全く異なる構造をしていました。印画紙の表面に合成樹脂の層を作り、その上に感光材を塗布することで、処理液が浸透するのは合成樹脂の層までとなります。そのため、水洗時間を大幅に短縮することが可能になりました。乾燥時間も短くなり、写真一枚を仕上げるまでの時間を大幅に削減することに成功したのです。RC印画紙の登場は、写真の世界に大きな変化をもたらしました。手軽に、そしてスピーディーに写真を楽しむことができるようになり、写真の普及にも大きく貢献した画期的な技術革新だったと言えるでしょう。