
ランレングス符号化でデータ圧縮
{写真の整理や受け渡しに欠かせないデータ圧縮}は、今の時代にはなくてはならない技術です。限られた大きさの記録装置にたくさんの写真を保存したり、インターネットを通して写真をスムーズに送ったり受け取ったりするために、様々な工夫が凝らされた圧縮技術が生み出されてきました。数ある圧縮技術の中でも、ランレングス符号化は、仕組みは単純でありながらも効果的な圧縮方法として、様々な場面で使われています。この記事では、ランレングス符号化の仕組みと、写真への応用例を詳しく説明します。
ランレングス符号化とは、同じ情報が連続している部分をまとめて記録することで、データの大きさを小さくする技術です。例えば、「赤、赤、赤、青、青、緑、緑、緑、緑」という色の並びがあるとします。これをそのまま記録すると、色の名前が9つ分必要です。しかし、ランレングス符号化を使うと、「赤が3つ、青が2つ、緑が4つ」というように、連続する色の数と色の名前をセットで記録します。これにより、記録する情報が「赤3、青2、緑4」の3つ分に減り、データ全体を小さくすることができます。
このランレングス符号化は、写真にも広く応用されています。例えば、ファックスで送る白黒の文書を想像してみてください。白い部分が長く続き、黒い文字の部分は短いということが多いでしょう。このような場合、白が何個連続で続いているかを記録することで、データ量を大幅に減らすことができます。写真にも、同じ色が連続している部分はたくさんあります。空の青色や建物の壁の色など、広い範囲で同じ色が続く部分を効率的に圧縮するために、ランレングス符号化は有効な手段です。
さらに、ランレングス符号化は、他の圧縮技術と組み合わせて使われることもあります。JPEGなどの画像形式でも、色の情報を圧縮する一部としてランレングス符号化が用いられているのです。このように、ランレングス符号化は、単純な仕組みながらも、様々な場面で活躍する重要なデータ圧縮技術と言えるでしょう。