
写真の色:CIELUV色空間
私たちは、光を眼で受け止めることで色を感じています。太陽や電灯からの光には、様々な色の光が含まれており、物の表面で特定の色の光が反射されることで、私たちは物に色があると認識しています。この光を数値で表す仕組みが「色の空間」です。色の空間は、色を秩序立てて整理し、管理するための枠組みと言えます。
色の空間を使うことで、色の見え方を数値として捉えることができ、色と色の違いを誰にとっても同じように比較することが可能になります。例えば、明るい赤と暗い赤を比べる際、色の空間を用いることで、明るさの度合いを数値で明確に比較できます。これは、写真や絵画、印刷物、画面表示など、色の再現性が重要な分野で非常に役立ちます。色の違いを数値で管理することで、意図したとおりの色を作り出し、正確に伝えることができるからです。
色の空間には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。例えば、「sRGB」と呼ばれる色の空間は、パソコンやインターネットで広く使われています。画面に映し出される色を表現するのに適した色の空間です。一方、「Adobe RGB」は、「sRGB」よりも広い範囲の色を表現できる色の空間で、写真加工や印刷の現場でよく使われています。用途に合わせて適切な色の空間を選ぶことが大切です。
写真家は、撮影した写真をパソコンで加工する際、色の空間を意識しながら作業を行います。例えば、空の微妙な青色の変化を表現したい場合、より広い範囲の青色を表現できる色の空間を選ぶことで、より自然で美しい写真に仕上げることができます。色の空間を理解することは、色の再現性を高め、より正確で豊かな色表現を実現するために欠かせない知識と言えるでしょう。