
JBIG:高圧縮の白黒画像フォーマット
黒と白の二値画像を効果的に小さくする技術、それがJBIGです。正式には、国際電気通信連合(ITU)と国際標準化機構(ISO)という、世界の通信と標準化を担う二つの組織が共同で定めた、ITU-T勧告T.82およびISO/IEC 11544を指します。
JBIGの強みは、二つの優れた圧縮技術を組み合わせている点にあります。一つは、画像の色の並び方の傾向を予測するマルコフモデル符号化。もう一つは、出現頻度の高い色に短い記号を割り当てる算術符号化です。これらの技術を組み合わせることで、驚くほど高い圧縮率を実現しています。
特に、文字画像の圧縮においては、従来のG4ファクスで使われていたMMR符号化方式よりも約3割も高い圧縮率を達成しています。これは、書類の電子化や保管、送受信にかかる時間と費用を大幅に削減できることを意味します。
JBIGという名称は、「二値画像専門家合同グループ(Joint Bi-level Image experts Group)」の頭文字からきています。この名前が示す通り、世界中の専門家が集結して開発された、信頼性の高い技術規格です。現在、様々な分野で活用されており、今後ますます重要な役割を担っていくことでしょう。JBIGは、限られた通信回線や記憶容量を有効に活用するための、まさに現代社会に欠かせない技術と言えるでしょう。