
動画の保存形式:エムペグのお話
「エムペグ」。動画や音声を取り扱う人なら、誰もが一度は耳にしたことがある言葉でしょう。動画ファイルを保存する際の形式として広く知られていますが、その名前の由来について深く考えたことはありますか?実はエムペグとは、「動く画像専門家集団」を意味する「Moving Picture Experts Group」の頭文字を取った略称です。
この集団は、国際標準化機構、すなわちISOが設置した作業部会の一つです。正式名称はそのまま「Moving Picture Experts Group」であり、まさにエムペグという名前の由来そのものです。この専門家集団は、動画や音声、そして静止画といった様々な種類の情報をまとめて扱う、マルチメディアデータの圧縮方法を定めるという重要な役割を担っています。世界中で様々な機器やソフトウェアで同じように扱えるように、共通の規格を定めることが彼らの仕事です。
彼らが定めた規格もまた、「エムペグ」と呼ばれています。つまりエムペグとは、専門家集団の名称であると同時に、彼らが生み出した規格の名称でもあるのです。動画や音声を扱う際に、ファイルサイズを小さくするために様々な圧縮技術が使われていますが、エムペグはその中でも代表的な規格の一つです。エムペグという規格のおかげで、限られた容量の中に、より多くの動画や音声を保存できるようになり、インターネットでの動画配信や、持ち運びできる機器での動画再生などが容易になりました。
このようにエムペグとは、単なる略称ではなく、動画技術の発展を支え、私たちの生活を豊かにしてきた重要な組織とその成果を表す言葉なのです。普段何気なく使っている言葉の背景を知ることで、動画技術への理解もより深まるのではないでしょうか。