HD-SDI

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機材

映像を繋ぐ心強い味方:同軸ケーブル

同軸ケーブルとは、中心に信号を伝えるための芯線があり、その周りを絶縁体で覆い、さらにその外側を網状の金属線や薄い金属箔で包み込んだ構造のケーブルです。ちょうど、木の年輪のように層になった構造をしていると考えると分かりやすいでしょう。一番内側の芯線が信号の通り道となり、その周りの絶縁体は電気を通さない物質でできており、芯線を通る信号が外に漏れたり、外の電気信号が入り込んだりするのを防ぎます。一番外側の金属線や箔は、外部からの電波などの影響、いわゆる雑音から信号を守る盾のような役割を果たします。 この何層にも重ねた構造のおかげで、同軸ケーブルは外部からの雑音の影響を受けにくく、信号を安定して送ることができるのです。電気信号はとても繊細で、雑音の影響を受けると映像が乱れたり、音が途切れたりすることがあります。しかし同軸ケーブルは、その構造によってこれらの問題を解消し、高品質な信号伝送を可能にしています。 特に映像業界では、高画質のデジタル映像信号を扱う際に同軸ケーブルが広く使われています。例えば、高解像度の映像信号規格であるHD-SDI信号を扱うには、同軸ケーブルはなくてはならない存在です。このケーブルはBNCケーブルとも呼ばれ、撮影現場でカメラと映像を切り替える装置や、映像を確認するための画面などを繋ぐために使われています。 近年の映像制作はますます高精細化しており、それに伴ってデータ量も増加しています。膨大な量の映像データを速く、正確に送るためには、安定した信号伝送が不可欠です。同軸ケーブルは、まさにそのような高精細な映像制作現場のニーズに応えるケーブルと言えるでしょう。カメラから映像を切り替える装置、そして画面へと、同軸ケーブルは様々な機器を繋ぎ、高品質な映像制作を支える重要な役割を担っているのです。