DTP

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写真とカーニング:文字間調整の美しさ

写真は、見たままを写しとるものですが、そこに言葉を添えることで、より多くのことを伝えることができます。まるで絵に説明書きを加えるように、写真に文字を入れることで、写真の持つ物語をより深く、より豊かに表現することができるのです。 例えば、旅行先で撮影した風景写真。美しい景色は写真だけでも十分に魅力的ですが、そこに「〇〇山の頂上にて、雲海に感動!」といった言葉を加えるだけで、その場にいた時の感動や興奮がより鮮やかに伝わってきます。また、家族写真に「七五三、おめでとう!」といったメッセージを添えることで、その日の喜びや幸せな気持ちが、見る人の心に直接響くことでしょう。 文字を入れる方法は様々です。写真の撮影時にカメラの設定で日付や時刻を自動的に記録することもできますし、撮影後に編集ソフトを使って文字を追加することもできます。手書きでメッセージを添えるのも、温かみがあって素敵な表現方法です。 文字を入れる際には、写真の雰囲気に合った書体や色、大きさを選ぶことが大切です。例えば、可愛らしい子供の写真には丸みを帯びた書体で明るい色の文字を、雄大な自然の写真には力強い書体で落ち着いた色の文字を、といったように、写真の内容に合わせて文字のデザインを選ぶことで、より効果的にメッセージを伝えることができます。文字の位置にも気を配りましょう。被写体を邪魔しない位置に配置することで、写真全体のバランスが良くなります。 写真に文字を入れることは、単に情報を加えるだけでなく、写真の表現力を高め、見る人に深い印象を与えるための大切な技術です。色々な方法を試してみて、自分らしい表現方法を見つけてみてください。きっと、あなたの写真がもっともっと魅力的なものになるはずです。
印刷

写真編集の技術:網点とドットジェネレータ

写真は、淡い色から濃い色まで、なめらかな色の変化でできています。しかし、印刷物を作る際には、インクの色を薄くしたり濃くしたりと自由に調整することはできません。インクは、ある色のインクがあれば、その色を紙に付けるか付けないかのどちらかしか選べません。そこで登場するのが「網点」という技術です。 網点とは、小さな点の集まりで色の濃淡を表現する技術です。点をぎっしりと密集させると、その部分は濃く見えます。逆に、点をまばらに配置すると、その部分は薄く見えます。肉眼では、これらの点はほとんど点として認識できません。写真全体がなめらかに変化しているように見えます。しかし、虫眼鏡などで拡大してみると、点の大きさや密度が変わっていることで、色の濃淡が表現されていることが分かります。 網点は、印刷物において写真のやわらかい色の変化を再現するために欠かせない技術です。点の大きさや密度を細かく調整することで、様々な色の濃淡を作り出せます。例えば、空の色や人の肌の色など、微妙な色の違いも、網点によって繊細に表現できます。この網点技術のおかげで、高品質な印刷が可能になり、写真が美しく再現されているのです。 網点技術は、新聞や雑誌、ポスター、チラシなど、様々な印刷物で使われています。新聞の写真は、小さな点が集まってできているため、拡大してみると点の並びを確認できます。雑誌の鮮やかな広告写真も、網点技術によって色の濃淡が表現されています。このように、網点技術は、私たちが普段目にする多くの印刷物で活躍し、写真やイラストを美しく再現するために重要な役割を果たしているのです。
印刷

写真と版下:印刷の基礎知識

写真は、印刷物においてなくてはならない役割を担っています。人の目を引きつけ、書かれた内容をより分かりやすく伝えるためには、鮮明な写真が欠かせません。印刷に使う写真は、細部までくっきり見えること、色の正しさなど、高い質が求められます。ふさわしい道具と技術を使って撮影された写真は、印刷物の出来栄えを大きく左右する重要な要素となります。 近年では、だれでも簡単に高画質の写真を撮れる機器が広まりました。手軽に高画質の写真が撮れるようになりましたが、印刷に適した写真のデータを作るには、撮影技術だけでなく、写真の編集に関する知識も必要です。写真の明るさや色の調整、写真のざらつきを取り除くなど、細かい調整を行うことで、より質の高い写真のデータを得ることができます。また、印刷物の用途や目的に合わせて、写真の大きさや切り抜き、写真の配置などを工夫することも大切です。 例えば、料理の写真を載せる場合、料理の色や質感を忠実に再現するために、適切な照明と背景を選び、カメラの設定を調整する必要があります。また、料理がよりおいしそうに見えるように、写真の構図や角度にも気を配る必要があります。さらに、編集ソフトを使って写真の明るさやコントラスト、彩度などを調整し、より魅力的な写真に仕上げることも重要です。 旅行のパンフレットに使う風景写真の場合、その場所の雰囲気や魅力を伝えるために、広角レンズを使ってダイナミックな構図で撮影したり、空の色や雲の形にこだわったりする必要があります。さらに、写真の明るさやコントラストを調整することで、より印象的な写真に仕上げることができます。 写真の質は、印刷物の信頼性にも関わります。そのため、常に質の高い写真を提供できるように、撮影技術と編集技術の向上に努め、印刷物の目的に合った最適な写真を提供することが大切です。
印刷

ダイレクト製版で変わる印刷の世界

私たちの暮らしの中には、新聞や雑誌、本、ちらし、ポスターなど、たくさんの印刷物があふれています。これらは情報を伝えるだけでなく、私たちの生活をより豊かにしてくれる大切な役割を担っています。こうした印刷物を作り出す過程で、欠かすことのできない重要な工程が「製版」です。 製版とは、印刷機でインクを紙に転写するための型を作る作業のことです。 かつては、写真フィルムを用いて製版を行うのが主流でした。しかし近年、印刷技術の進歩に伴い、「直接製版」と呼ばれる新しい技術が登場し、製版工程に大きな変化をもたらしています。直接製版とは、コンピューターで作成したデジタルデータをもとに、直接印刷用の版を作る技術のことです。フィルムを使用する従来の方法に比べて、いくつかのメリットがあります。 まず第一に、作業工程を簡略化できるため、時間と手間を大幅に削減できます。従来の製版では、写真撮影、現像、版への焼き付けなど、複数の工程が必要でした。直接製版ではこれらの工程が不要になるため、製作期間を短縮し、より迅速に印刷物を仕上げることが可能になります。 第二に、より鮮明で高品質な印刷を実現できます。従来の製版では、フィルムの特性や焼き付けの際の微妙なずれなどによって、画像の品質が低下する可能性がありました。直接製版では、デジタルデータから直接版を作るため、こうした品質の劣化を防ぎ、より原稿に近い状態で印刷することができます。細かい文字や繊細なイラストなども、美しく再現することが可能です。 第三に、環境への負荷を軽減できるというメリットも挙げられます。従来の製版では、フィルムの現像液や廃液など、環境に影響を与える化学物質を使用していました。直接製版では、これらの化学物質の使用量を大幅に削減できるため、環境保護の観点からも注目されています。 このように、直接製版は、時間、品質、環境のすべての面で優れた技術と言えます。今後、印刷業界においてますます重要な役割を担っていくものと期待されます。これから、直接製版の具体的な仕組みや種類、活用事例などについて、より詳しく解説していきます。
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電子組版:印刷革命の立役者

文字や絵を印刷物にきれいに並べることを「組版」といいます。昔は、活字と呼ばれる金属の文字を一つずつ手で並べて、版を作っていました。この作業は大変な手間と時間がかかりました。ところが、計算機を使う「電子組版」が登場したことで、印刷の世界は大きく変わりました。 電子組版では、計算機画面上で文字や絵を自由に配置できます。活字を手で並べる必要がなく、思い通りの場所に文字や絵を置くことができます。また、文字の大きさや種類、行間なども画面上で簡単に調整できます。まるで絵を描くように、印刷物の仕上がりを画面上で確認しながら作業を進められます。 もし修正が必要な場合でも、計算機上で簡単に変更できます。活版印刷のように、版を作り直す必要はありません。そのため、修正にかかる時間と費用を大幅に削減できます。これは、印刷物の制作にかかる時間と費用を大きく減らすことに貢献しました。 さらに、電子組版は、高品質な印刷物を制作するのに役立ちます。計算機を使うことで、文字の位置や大きさなどを正確に調整できます。そのため、美しく読みやすい印刷物を制作できます。また、様々な種類の文字や絵を簡単に扱えるため、デザインの自由度も高まります。 このように、電子組版は、従来の組版に比べて、作業効率、費用、品質の面で大きなメリットがあります。まさに、印刷業界における大きな進歩と言えるでしょう。今では、本や雑誌、新聞など、ほとんどの印刷物が電子組版で作られています。これからも、電子組版は印刷技術の中心的な役割を果たしていくことでしょう。
印刷

電子出版の可能性と未来

電子出版とは、紙ではなく電子機器を使って、本や雑誌といった出版物を作り、広める方法です。パソコンやスマートフォン、専用の読書端末などで読むことができます。従来の印刷された紙の本とは違い、電子データとして情報を記録し、やり取りするため、色々な良い点があります。 まず、情報を速く発信できることが挙げられます。紙の本の場合、印刷や製本、配送など多くの時間が必要ですが、電子出版なら、データが完成すればすぐに公開できます。速報性や情報鮮度が重要なニュース記事や速報性の高い情報発信に適しています。 次に、印刷や運送にかかるお金を減らせることも大きな利点です。紙の本は、印刷や製本、在庫の保管、書店への配送など、多くの費用がかかります。電子出版ではこれらの費用を抑えられ、読者にも安く提供できる可能性があります。 また、在庫管理が楽になる点も魅力です。紙の本は、売れ残りの在庫を保管する場所が必要ですが、電子出版はデータなので保管場所が不要です。絶版になった本も、電子データとして残しておけば、いつでも読者に提供できます。 さらに、電子出版は紙の本では表現できない情報も載せることができることも大きな特徴です。例えば、動画や音声、動きのある絵などを加えることで、より分かりやすく、魅力的な内容にできます。料理本に動画で作り方を見せたり、絵本に効果音や読み聞かせの音声を加えたり、紙の本では不可能だった表現が可能です。 近年、電子書籍リーダーやタブレット、スマートフォンの普及とともに、電子出版の市場は大きく広がっています。いつでもどこでも手軽に読書を楽しめることから、今後もますます利用者が増えるでしょう。電子出版は、情報を伝える新しい手段として、出版業界の未来を担う重要な存在となるでしょう。
印刷

印刷の立役者、ポストスクリプトとは?

かつて、計算機で作った書類を美しく印刷することは至難の業でした。画面に映るものと、印刷したものが違うことはよくあり、文字の位置や図の形がずれたり、文字の形が思っていたものと違っていたりと、様々な問題が起きていました。例えば、計算機画面では正しく表示されていた表が、印刷すると罫線がずれていたり、文字が重なって読めなくなったりするといった具合です。また、図形も滑らかに表示されていたものが、印刷すると階段状にギザギザになってしまうこともありました。 このような問題の根本原因は、計算機と印刷機の間で、どのように情報を伝えるかという点にありました。計算機は画面に表示するための情報を持ちますが、印刷機はそれを理解できません。そこで、印刷機が理解できる言葉に翻訳する必要がありましたが、従来の方法では、この翻訳作業がうまくいかないことが多かったのです。特に、曲線や複雑な図形を扱う際には、その情報量が多いため、正確に伝えるのが難しかったのです。 こうした状況を改善するために、アドビ社は新たな紙面記述言語「ポストスクリプト」を開発しました。1980年代に登場したこの言語は、印刷の世界に大きな変化をもたらし、質の高い印刷を可能にする土台を作りました。ポストスクリプトは、図形や文字を数式で表現することで、印刷機に正確な情報を伝えることを可能にしました。円や曲線も滑らかに表現でき、どんな複雑な図形でも、計算機で描いた通りに印刷できるようになったのです。 ポストスクリプトの登場以前は、印刷所の専門家に頼らなければ、質の高い印刷物は作れませんでした。しかし、ポストスクリプトによって、計算機と対応した印刷機があれば、誰でも美しい印刷物を作れるようになりました。この技術によって、机の上で出版作業ができる「机上出版」と呼ばれる新しい時代が始まり、個人が気軽に印刷物を制作・配布できるようになりました。ポストスクリプトは、現代の印刷技術の礎となり、私たちが目にしている様々な印刷物の質を高める上で、大きな役割を果たしたと言えるでしょう。
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誌面構成の技術:写真で魅せる

誌面構成とは、雑誌や書籍、新聞、あるいはホームページなど、限られたスペースの中に、文章、写真、図、表、絵といった様々な要素を効果的に配置し、読みやすく、見て分かりやすく、そして魅力的な紙面を作り上げる技術のことです。誌面全体の印象を決める大切な要素であり、読者に情報を正しく伝える上で欠かせません。 それぞれの要素の大きさや配置、文字の種類や大きさ、行間、余白などを細かく調整することで、読者の視線を誘導し、情報を効果的に伝える役割を担います。単に情報を並べるだけでなく、視覚的な効果も考慮しながら、読者にどのように情報を伝えたいかを考え、構成を練り上げていくことが重要です。例えば、大きな写真やイラストを配置することで、読者の目を引きつけたり、重要な情報を強調することができます。また、余白を効果的に使うことで、紙面にゆとりを持たせ、読みやすさを向上させることができます。 例えば、料理雑誌の場合、食欲をそそるような写真の撮り方や大きさ、配置、そして作り方の手順が分かりやすいことが求められます。料理の美味しそうな色合いや質感を伝えるために、写真の明るさやコントラストを調整したり、彩りを豊かに見せる工夫も必要です。また、ファッション雑誌の場合には、最新の流行を伝える写真と、洗練された配置が重要になります。写真のモデルのポーズや表情、背景、そして洋服の色やデザインを効果的に見せることで、読者に商品の魅力を伝えます。 このように、媒体の目的や読者層に合わせて、最適な誌面構成を追求することが不可欠です。子供向けの雑誌であれば、分かりやすい言葉で書かれた文章と、可愛らしい絵を多く用いることで、楽しく読める工夫をします。一方、ビジネス向けの雑誌であれば、信頼感のあるデザインと、簡潔で分かりやすい情報伝達を重視した構成が求められます。読者層の年齢や興味、関心、そして媒体の持つ目的に合わせて、文字の大きさや種類、写真の配置、イラストの雰囲気などを調整し、最も効果的な誌面構成を考えなければなりません。
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ページネーション:魅力的な誌面構成

紙媒体や画面上に情報を分かりやすく美しく配置する技術、それがページ構成、つまりページネーションです。本や雑誌、新聞、そしてウェブサイトなど、様々な媒体で見られます。ページネーションとは、文字や写真、図表、といった様々な要素を、読み手が快適に情報を読み取れるように、見た目にも美しく、かつ機能的に配置する作業全体を指します。 ページネーションは、情報を伝える上で非常に重要な役割を担っています。例えば、雑誌の記事のを大きく目立つように配置することで、読み手の視線を惹きつけ、記事の内容に興味を持たせることができます。また、写真の配置や大きさ、キャプションの付け方によって、写真の持つメッセージを効果的に伝えることができます。図表の場合は、複雑な情報を分かりやすく整理して提示することで、読み手の理解を助けることができます。さらに、本文の文字の大きさや行間、余白を適切に調整することで、読みやすさを向上させることができます。 近年は、コンピューター上で専用の編集ソフトを使ってページネーションを行うのが一般的です。これらのソフトを使うと、文字の大きさや種類、行間、文字間隔、色使いなどを細かく調整できます。写真や図表の位置や大きさも自由に変更でき、全体のバランスを見ながら微調整を加えることができます。また、ソフトによっては、自動的にページ番号を振ったり、目次を作成したりする機能も備わっています。こうして丁寧に作り込まれたページは、印刷物として出力されたり、ウェブサイトに掲載されたり、電子書籍として配信されたり、様々な形で読者に届けられます。 ページネーションは単に要素を配置するだけでなく、情報の伝わりやすさや読者の視覚的な印象を左右する重要な工程です。読み手が無意識のうちに情報を受け取りやすく、心地よく感じられるように、様々な要素を組み合わせて、美しく、機能的なページを作り上げる、それがページネーションの目的と言えるでしょう。
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段組みの効果的な活用法

文章や絵などを配置する時に、紙面を縦長の区画に幾つか分けて使う方法を段組みと言います。これは、新聞や雑誌、本など、様々な印刷物で広く使われています。ページ全体を一つの区画として使う方法を通し組みと言いますが、段組みは通し組みとは違い、ページの中に複数の段を設けることで、目の動きを滑らかにして読みやすくする効果があります。 段の数は何段でも自由に設定できます。例えば、二段組み、三段組み、四段組みなど、使う目的や見た目に合わせて段の数を決めることができます。段組みを使うと、限られた紙面を無駄なく使えるだけでなく、見た目にもリズム感やメリハリが出てきます。 二段組みにすると落ち着いた雰囲気になり、三段組みにすると軽快で読みやすい印象になります。また、段組みと通し組みを混ぜて使うことで、見た目に変化をつけることもできます。例えば、本文は二段組みにし、強調したいところは通し組みで配置するといった工夫ができます。 段組み以外にも、文章を読みやすくする工夫はたくさんあります。例えば、文字の大きさや種類、行間、余白の幅などを調整することで、読みやすさを向上させることができます。また、写真やイラスト、図表などを効果的に配置することで、内容をより分かりやすく伝えることができます。 段組みは紙面の構成を考える上で、読む人に情報を効果的に伝えるために重要な役割を果たします。どのような段組みが効果的かは、伝えたい内容や対象となる読者によって異なります。そのため、印刷物の種類や読者の年齢層などを考慮しながら、最適な段組みを選ぶことが大切です。
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デスクトップで作る印刷物:DTP入門

机の上の印刷所とは、パソコンを使って印刷物を作ることを指します。これは、机の上で印刷ができるという意味ではありません。かつては、印刷物を作るには、印刷所にある大きな専用の機械を使う必要がありました。これらの機械は大変高価で、専門の知識を持った人しか扱うことができませんでした。しかし、パソコンと専用の道具が登場したことで、状況は大きく変わりました。 パソコン上で文字の大きさや配置、画像などを自由に調整し、思い通りの印刷物の下準備ができるようになったのです。この作業全体を、机の上で出版作業を行うという意味で「机の上の印刷所」と呼ぶようになりました。正式には「卓上出版」と言います。まるで、小さな印刷所が自分の机の上にあるかのようです。 以前は印刷所と何度もやり取りして、費用と時間もかけて作っていた印刷物が、今ではパソコン一つで手軽に作れるようになりました。例えば、近所の催し物のちらしや、学校の文化祭で使う冊子、お店の開店を知らせるポスターなど、様々なものを自由にデザインし、印刷できるようになりました。 卓上出版によって、個人でも気軽に印刷物が作れるようになったことで、情報発信の方法は大きく広がりました。自分の考えや活動内容をまとめた冊子を簡単に作ったり、趣味で描いた絵を印刷して配ったり、地域の情報をまとめたちらしを近所に配ったりと、様々な使い方ができます。手軽に印刷物が作れるようになったことで、人々の表現活動や情報共有がより活発になりました。まさに、机の上の印刷所は、個人の創造性を大きく広げる力を持っていると言えるでしょう。
印刷

写真の色再現とデジタル色校正

写真は、色の使い方一つで、見る人に与える印象が大きく変わります。例えば、燃えるような夕焼けの赤色や、目に鮮やかな新緑の緑色など、色の再現性によって写真の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。写真家が心の中に描いたとおりの色を忠実に再現するために、色校正は欠かせない工程です。色校正とは、印刷する前に、最終的に仕上がる写真のイメージを確認する作業のことです。これにより、印刷時に起こりがちな色のずれや、明るさの段階の誤差などを修正し、高品質な一枚を作り上げることができます。 昔ながらの印画紙とインクを使った印刷方式では、試し刷りを繰り返して色を調整していました。一枚一枚手作業で確認するため、時間と費用がかかる上に、どうしても色の微妙な違いを見分けるのは難しい作業でした。しかし、印刷技術が進歩した現在では、多くの場合、画面上で色の調整を行う方法が主流となっています。この方法を画面色校正と言います。画面色校正では、パソコンの画面上で色の調整をシミュレーションできるので、時間や費用を大幅に節約できます。また、色の違いを数値で確認できるため、より正確な色調整が可能です。 画面色校正を行うためには、正確な色を再現できる画面が必要です。画面の色調整機能を使って、正しい色になるように設定しなければなりません。さらに、周囲の明るさにも注意が必要です。明るい場所では画面が暗く見え、暗い場所では画面が明るく見えてしまうため、一定の明るさを保った環境で作業することが大切です。色校正は、写真家の意図を正確に反映し、高品質な写真を生み出す上で、非常に重要な役割を担っています。技術の進歩とともに、色校正の方法は進化し続けており、今後もより高精度な色再現が可能になると期待されています。
印刷

印刷工程を革新するCTP技術

コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)とは、コンピュータで作った絵や文字などのデジタル情報から、印刷に使う版を直接作る技術のことです。この技術が登場する前は、印刷したい絵や文字をフィルムや印画紙といったものに焼き付けて、それを原版に重ねて光を当て、版を作るという手順を踏んでいました。フィルムや印画紙といった中間材料を使う工程を挟むことで、どうしても時間や費用がかかってしまい、さらに版を作る過程でどうしても品質が落ちてしまうこともありました。 CTPでは、これらの面倒な工程を全て省き、コンピュータの情報から直接版を作ることができるので、時間と費用を大幅に節約できます。まるでコンピュータから印刷機に直接指示を送っているかのように、印刷の指示をデジタル情報でやり取りできるので、画質もとても綺麗になります。 以前は人の手で行っていたフィルム作りや、光を当てて版を作る作業が必要なくなるので、作業にかかる時間が大幅に短縮されます。また、フィルムや印画紙といった材料も必要なくなるので、材料費の節約にも繋がり、環境にも優しい技術です。 CTPの登場は、印刷業界に大きな変化をもたらしました。時間と費用の削減、そして品質の向上という、印刷にとって重要な三つの要素を全て満たす画期的な技術であり、環境保護にも大きく貢献しています。今後も、印刷業界を支える重要な技術として、さらに発展していくことが期待されています。
画像加工

写真撮影と編集の前段階

写真の出来栄えは、事前の準備にかかっていると言っても言い過ぎではありません。撮影から編集に至るまで、すべての工程は繋がっています。最初の段階でしっかりと準備を整えることで、最終的な作品の見栄えは格段に向上します。 まず、撮影に使う道具選びが大切です。被写体との距離や表現したい雰囲気に合わせて、最適なレンズを選びましょう。広大な景色を一枚に収めたいのか、小さな花びらの繊細な模様を捉えたいのかによって、レンズの選択は変わってきます。また、周りの明るさや色合いも重要な要素です。自然光で撮るのか、照明を使うのかで、写真の印象は大きく変わります。カメラの設定も、光の状態に合わせて細かく調整する必要があります。 撮影場所の環境にも気を配りましょう。周りの景色が被写体を引き立てるのか、邪魔になるのか、背景とのバランスも考えて構図を決めましょう。風の強さや周りの音、温度なども、撮影に影響を与える可能性があります。快適な撮影環境を作ることで、より良い写真が撮れるでしょう。 撮影後の編集作業も、作品作りの大切な一部です。編集に使う道具の使い方を理解し、使いやすいように設定を整えておきましょう。作業場も整理整頓しておくことで、作業がスムーズに進みます。 さらに、撮影した写真の保存方法も大切です。「生のまま」の情報を多く含んだ形式で保存すると、編集の幅が広がります。また、たくさんの写真を整理して保存することで、後から必要な写真を見つけやすくなり、作業時間の短縮にも繋がります。 このように、撮影前の準備から撮影後の整理まで、一つ一つの作業が最終的な写真の質に影響を与えます。丁寧に準備をすることで、より美しく、印象的な作品に仕上げることができるでしょう。
画像加工

写真製版のデジタル化:CEPSとその進化

かつて、印刷物は写真や手書きの文字、絵などを組み合わせて版を作る方法で作られていました。この方法は、熟練した技術を持つ職人が多くの時間と手間をかけて、版を一つずつ丁寧に作っていく必要がありました。そのため、修正が必要になった場合、最初からやり直すことも多く、費用も時間もかかっていました。 しかし、計算機技術の進歩によって、電子製版システム(略称電算写植システム)が登場し、印刷の世界に大きな変化が訪れました。電算写植システムは、写真や文字、絵などを数字の情報に変換し、計算機上で配置や画像の加工などを行います。そして、出来上がったものを印刷用の版にするシステムです。 この電算写植システムの導入によって、印刷にかかる時間と手間は大幅に減り、作業の効率は飛躍的に向上しました。例えば、以前は数日かかっていた作業が、数時間で完了するようになった例もあります。また、修正も計算機上で簡単に行えるようになり、修正にかかる時間と費用も大幅に削減できました。 さらに、電算写植システムは、より高度で複雑なデザイン表現も可能にしました。色の濃淡や線の太さなどを細かく調整できるようになり、写真や絵の加工も自由自在に行えるようになったからです。これにより、印刷物の質が向上し、より美しい表現力豊かな印刷物を作成できるようになりました。 電算写植システムは、印刷業界に革命をもたらし、印刷物の製造方法を大きく変えました。そして、情報伝達の手段として、印刷物がより重要な役割を果たすようになったのです。