風景写真

記事数:(3)

撮影方法

写真の基本:横位置撮影の魅力

写真は、撮る向きによって大きく二種類に分けられます。横に長い長方形と、縦に長い長方形です。それぞれ、横位置、縦位置と呼ばれています。 私たちが普段見ている景色は、両目の配置の関係で、左右に広く感じます。そのため、横長の画面である横位置の写真は、私たちにとって見慣れた景色と似ており、自然で安定した印象を与えます。広々とした風景写真や、たくさんの人が集まった集合写真など、広がりを表現したい時に適しています。水平線や地平線など、横に伸びる線を画面に取り入れると、より安定感が増し、落ち着きのある写真に仕上がります。また、左右に動く被写体、例えば走っている人や車を撮影する場合にも、横位置が適しています。被写体の動きを画面全体で捉えることができ、躍動感を表現することができます。 一方、縦位置は、縦に伸びる長方形であるため、高さや奥行きを強調する効果があります。そのため、人物写真や背の高い建造物など、被写体の存在感を際立たせたい場合に効果的です。例えば、人物を縦位置で撮影すると、全身を画面に収めることができ、その人のスタイルや雰囲気をしっかりと表現できます。また、木々が生い茂る森や、高くそびえ立つビル群など、縦方向に伸びる被写体を撮影する場合にも、縦位置が適しています。被写体の高さを強調することで、雄大さや力強さを表現することができます。 写真撮影において、写真の向きは、構図を考える上でとても重要な要素です。同じ被写体であっても、横位置で撮るか縦位置で撮るかによって、写真の印象は大きく変わります。被写体の特徴や、自分が表現したい雰囲気に合わせて、適切な向きを選ぶことが大切です。被写体をよく観察し、どちらの向きがより効果的かを考えてみましょう。迷った時は、両方試してみるのも良いでしょう。そうすることで、写真の向きの違いによる表現の変化をより深く理解し、写真の腕を磨くことができます。
撮影方法

シャッター速度で捉える写真の表現

写真は光で描かれた絵のようなものです。絵の具の量で絵の濃淡が決まるように、写真も光の量で明るさが決まります。この光の量を調整する重要な要素の一つが、シャッター速度です。 シャッター速度とは、カメラの内部にある光を感じる部分、いわばカメラの目に光が当たる時間のことです。この時間が短ければ光が当たる時間は短くなり、写真は暗くなります。逆にこの時間が長ければ光が当たる時間は長くなり、写真は明るくなります。 たとえば、晴れた日の屋外で写真を撮る場面を想像してみてください。十分な光がある状況では、短い時間でたくさんの光を取り込むことができます。つまり、速いシャッター速度で写真を撮っても、十分な明るさを確保できます。逆に、薄暗い室内で写真を撮る場面ではどうでしょうか。光が少ないため、長い時間をかけて光を取り込む必要があります。つまり、遅いシャッター速度で写真を撮らないと、写真は暗くなってしまいます。 シャッター速度は、明るさだけでなく、写真の雰囲気も大きく変えます。たとえば、滝の写真を撮る場合、速いシャッター速度で撮影すると、水の流れが一瞬で止まったように見えます。一方、遅いシャッター速度で撮影すると、水の流れが糸のように滑らかに写り、動きのある幻想的な写真になります。 このように、シャッター速度を理解し、適切に調整することで、写真の明るさをコントロールするだけでなく、表現の幅を広げることができるのです。被写体や撮影したい雰囲気に合わせて、シャッター速度を変えて、色々な写真を撮ってみてください。
撮影方法

露出を自動調整!AEBを使いこなす

写真は光を写し取ったものですが、その光の量を調整するのが露出です。露出を正しく理解することは、写真の腕を上げるために欠かせません。露出は、絞り、シャッター速度、感度という三つの要素が組み合わさって決まります。この三つの要素を「露出の三要素」と呼び、まるで三角形の三つの辺のように、一つが変わると他の二つにも影響を与えます。 まず、絞りについて説明します。絞りとは、レンズの開き具合のことです。絞りを狭くすると、レンズを通る光の量は少なくなり、写真は暗くなります。反対に、絞りを広くすると、レンズを通る光の量は多くなり、写真は明るくなります。絞りは、被写界深度にも関係しており、絞りを狭くするとピントの合う範囲が広くなり、絞りを広くするとピントの合う範囲は狭くなります。背景をぼかしたい場合は、絞りを広く設定すると効果的です。 次に、シャッター速度について説明します。シャッター速度とは、シャッターが開いている時間のことです。シャッター速度が速いと、短い時間で光を取り込むため、写真は暗くなります。また、動いている被写体を止めて写すことができます。反対に、シャッター速度が遅いと、長い時間で光を取り込むため、写真は明るくなります。動いている被写体はブレて写ります。流れる水や車の光跡を表現したい場合は、遅いシャッター速度を使うと効果的です。 最後に、感度について説明します。感度とは、カメラの光に対する感度のことです。感度を高くすると、少ない光でも明るく写すことができますが、同時に画像にざらつきが出てきます。これをノイズと言います。反対に、感度を低くすると、ノイズは少なくなりますが、暗い場所では写真が暗くなってしまいます。暗い場所で撮影する必要がある場合、感度を上げる必要がありますが、ノイズとのバランスを考えることが大切です。 露出の三要素を理解し、適切に調整することで、写真の明るさを自由に操り、表現の幅を広げることができます。撮影したい場面に合わせて、最適な露出を見つけ出すように心掛けましょう。