
感圧紙:手軽に複写する技術
感圧記録紙は、力を加えることで文字や絵を描くことができる特殊な紙です。複写機やお店で使われる計算機、宅配の伝票など、私たちの身の回りで広く使われています。この紙は、いくつかの薄い層が重なってできています。一番上の層には、無色の色のもととなる小さな粒がたくさん入っています。この粒は目には見えないほど小さく、カプセルに包まれています。そして、その下の層には、酸性の薬品が塗られています。
ペンで字を書いたり、印字する部分で力を加えると、一番上の層にあるカプセルが壊れます。すると、カプセルに入っていた無色の色のもとが下の層の酸性物質と混ざり合います。この化学反応によって、無色だったものが色に変わり、文字や絵が浮かび上がってくるのです。
感圧記録紙は、特別なインクや色を付ける粉などは必要ありません。ただ力を加えるだけで記録ができるので、機械の仕組みを簡単にすることができます。これは、機械を小さくしたり、安く作ったりすることにもつながります。
また、感圧記録紙は一度に何枚も複写を作ることができます。例えば、宅配の伝票では、送り主用、配達員用、受け取り主用など、同じ内容の伝票が複数枚必要になります。感圧記録紙を使うと、これらを一度にまとめて作ることができ、とても便利です。簡単に記録を残せるので、ちょっとしたメモ書きなどにも使われています。