印刷 静電印刷:その仕組みと利点
静電印刷は、複写機と同じように電子写真の仕組みを使った印刷方法です。静電気を利用して、文字や絵などの画像を紙に写し取ります。まず、印刷の元となる版を作ります。この版は、電気を流す性質を持つ金属の板の上に、電気を流さない薄い膜を貼って作られています。この膜の上に、印刷したい画像の形に電気を帯びさせます。すると、電気を帯びた部分にだけ、粉状の色材(トナー)がくっつきます。次に、この版に紙を押し当てます。そして、紙の裏側から静電気を帯びたローラーを転がすと、版にくっついていたトナーが紙に移動します。こうして、紙の上に画像が転写されます。最後に、熱と圧力をかけてトナーを紙に定着させれば、印刷は完了です。静電印刷は、複写機とよく似た仕組みですが、光を使って画像を写し取る工程がないため、複写機よりも構造が簡単です。そのため、印刷の速度が速く、大量の印刷物を短い時間で仕上げることができます。また、版を作る工程も比較的簡単なので、必要な時に必要なだけ印刷することができ、無駄がありません。このように、静電印刷は速くて効率が良いため、オフィスや印刷会社などで、たくさんの書類や資料を印刷する際に広く使われています。高画質で美しい仕上がりと、低価格という利点も、多くの会社で採用されている理由です。
