静止画

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画質

ブロックノイズを理解する

画質の劣化として現れる、四角い模様「ブロックノイズ」とは、一体どのようなものなのでしょうか。 デジタルの写真や動画において、本来ならば滑らかに変化するはずの色や明るさが、まるで絵の具で不自然に塗りつぶしたような四角い区画に分割されてしまう現象です。これは、まるで玩具の積み木を組み合わせたような、モザイク状のノイズとして現れ、見ている人に不快感を与えてしまいます。 このブロックノイズは、単に見た目を損なうだけでなく、写真や動画に記録された情報そのものを分かりにくくしてしまう危険性も孕んでいます。例えば、遠くにある看板の文字や、人の表情の微妙な変化など、細部まで鮮明に捉えたい場面でブロックノイズが発生すると、肝心な情報がノイズに埋もれてしまい、何が写っているのか判別できなくなってしまうことがあります。せっかく時間をかけて撮影した写真や動画も、これでは台無しです。特に、美しい風景や人物の表情など、繊細な色の変化や滑らかな階調表現が求められる場面では、ブロックノイズの存在は画質を著しく低下させ、作品の魅力を大きく損ねてしまうでしょう。 このノイズが発生する原因は、主に情報の圧縮にあります。 写真や動画のデータ量を小さくするために、データを間引く処理を行うのですが、この処理が過剰になると、色の情報が失われ、ブロックノイズが発生しやすくなります。また、電波の受信状態が悪い場合や、記録媒体に傷がある場合などにも発生することがあります。高画質での撮影や再生を目指すのであれば、ブロックノイズを発生させないための対策、あるいはノイズを軽減するための工夫が写真の出来栄えを左右する重要な要素と言えるでしょう。適切な設定を選ぶ、高性能な機器を使うなど、撮影から編集まで、さまざまな段階でノイズへの対策を講じることが大切です。
技術

動画と写真の関係性:フレームを理解する

動画とは、まるで絵が次々と入れ替わる紙芝居のように、たくさんの写真が連続して映し出されることで、動いているように見えるものです。この一枚一枚の写真を「こま」と呼びます。つまり、動画は静止している写真が繋がってできていると言えるでしょう。 動画を見るとき、私たちは実際には高速で切り替わる静止画を見ていることになります。この切り替わりの速さを「こま送り速度」と言い、この速度によって動画の見え方が変わってきます。こま送り速度が速ければ速いほど、滑らかで自然な動きに見えます。逆に、こま送り速度が遅ければ遅いほど、ぎこちなくカクカクした動きになります。 例えば、テレビ放送や映画館で上映される動画は、通常一秒間に24こま、あるいは30こまの写真が使われています。この速さのおかげで、私たちは動画を滑らかな動きとして認識できるのです。しかし、もしこのこま送り速度がもっと遅かったら、例えば一秒間に5こまだったらどうでしょうか。おそらく、被写体の動きは途切れ途切れになり、見ている人は動きのぎこちなさを感じてしまうでしょう。 動画を作るということは、言い換えれば連続した写真を撮影し、それらを繋げる作業とも言えます。スマートフォンなどで動画を撮影するとき、実際にはカメラが高速で連続写真を撮影しているのです。そして、その一枚一枚の写真が繋げられることで、動画として再生されます。 私たちが普段何気なく見ている動画も、実は一枚一枚の写真の集合体であるということを意識してみると、動画の見え方が変わってくるかもしれません。動画の中に流れる時間や動きを、静止した写真の連続として捉え直すことで、新たな発見があるでしょう。動画制作に興味がある人は、この「動画は写真の連続体」という考え方を理解することで、動画表現の幅が広がるはずです。