
写真画質の鍵、電荷受容性とは
写真の写りを左右する大切な要素の一つに「電荷受容性」というものがあります。これは、カメラの心臓部である光を感知する部品が、どれだけの電気の量をため込めるかを示す尺度です。
光がカメラに入り、光を感じる部品に当たると、光は電気の粒に変わります。この電気の粒が、光を感じる部品の中に集められます。この集められた電気の粒の量が、写真の明るさや色の濃淡を決めるのです。電荷受容性が高い、つまりたくさんの電気の粒をため込める部品ほど、明るいところから暗いところまで、滑らかな色の変化を表現できます。例えば、明るい空と暗い建物を同時に写す場合、空の色が白く飛んでしまったり、建物の色が黒くつぶれてしまったりすることなく、肉眼で見たままの自然な明るさで写すことができます。
反対に、電荷受容性が低い、つまり少ししか電気の粒をため込めない部品では、色の変化を滑らかに表現することが難しくなります。明るい部分は白く飛んでしまい、細かい模様や色の違いが分からなくなります。また、暗い部分は黒くつぶれてしまい、何も見えなくなってしまいます。これは、ちょうどコップに水を注ぐ様子に似ています。大きなコップであれば、たくさんの水を注いでもこぼれませんが、小さなコップではすぐにあふれてしまいます。電荷受容性もこれと同じで、ため込める電気の量が多いほど、明るい部分や暗い部分の情報もしっかりと記録できるのです。
特に、風景写真のように、明るい空と暗い地面など、明暗差の激しい場面を撮る時には、電荷受容性の高さが重要になります。電荷受容性の高いカメラを使えば、肉眼で見たままの美しい風景を、そのまま写真に収めることができるのです。そのため、カメラを選ぶ際には、この電荷受容性にも注目してみると良いでしょう。