記録ヘッド

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印刷

インクジェットプリンターの心臓部:記録ヘッド

記録ヘッドは、インクを噴き付けて紙に模様を描く部品で、インクジェット式印刷機のような機械には欠かせないものです。まるで絵筆のように、目には見えない細かいインクの粒を紙の上に吹き付け、写真や文字などを形作ります。印刷機全体で見れば、言わば心臓部にあたる重要な部品と言えるでしょう。 記録ヘッドの働きは、大きく分けて二つあります。一つ目は、計算機から送られてきた模様を描くための指示を理解し、インクを噴き付ける場所や量を細かく決めることです。二つ目は、その指示通りに、正確な位置にインクを吹き付けることです。この時、インクの粒の大きさを揃えたり、吹き付けるタイミングを調節したりと、非常に細かい制御を行っています。 記録ヘッドが精密にインクを操ることで、写真の鮮やかさや文字のくっきりとした輪郭が生まれます。また、一度に多くのインクを吹き付けられる記録ヘッドは、印刷の速さを高める役割も担います。さらに、耐久性の高い記録ヘッドであれば、印刷機の寿命を延ばすことにも繋がります。つまり、記録ヘッドの性能が印刷機の性能を左右すると言っても、言い過ぎではありません。 高性能な記録ヘッドは、よりきめ細かなインクの粒を吹き付けることができます。例えば、髪の毛よりも細い管から、1秒間に何万回もインクを噴き付けるものもあります。このような技術の進歩により、近年では写真と見紛うばかりの美しい印刷物や、極小の文字まで鮮明に印刷することが可能になりました。まさに、記録ヘッドは印刷技術の要であり、日々の暮らしを彩る印刷物を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。
パーツ

記録ヘッドの心臓部:オリフィスプレート

インクを吹き付ける印刷機や記録装置で、液体の通り道を作る肝心な部品、それがオリフィスプレートです。名前の通り板のような形をしていて、この板に開けられた小さな穴(オリフィス)がインクなどの液体を吐き出す出口になります。この穴の大きさは、印刷機の性能を決める極めて大事な要素です。吹き出す液滴の粒の大きさや速さ、さらには印刷の良し悪しや記録の正確さに直接つながるため、高い正確さで作ることが求められます。 オリフィスプレートは、通常30から90マイクロメートルというとても薄い板から作られます。これは髪の毛よりも細いこともあります。この薄さが、液体を滑らかに吐き出し、正確に操作することを可能にしています。材料としては、さびにくい鋼(ステンレス鋼)や樹脂の板などが使われます。それぞれの材料は、薬品への強さ、丈夫さ、加工のしやすさといった特徴が異なり、用途や必要な性能に合わせて使い分けられます。例えば、薬品に強い必要がある場合はステンレス鋼が、費用を抑えたい場合は樹脂の板が選ばれます。 この小さな穴(オリフィス)は、インク滴の大きさや吐出速度を左右する重要な部分です。穴の大きさが均一でないと、インク滴の大きさや速度がばらつき、印刷品質にムラが生じます。また、穴の位置や形状も重要です。これらがずれていると、正確な位置にインクを吐出することができず、記録精度が低下します。さらに、オリフィスプレートの耐久性も重要な要素です。長期間の使用に耐えうる強度が求められます。そのため、材料の選定だけでなく、表面処理などの技術も重要になります。近年では、より小さな穴を作るために、新しい材料や加工方法の開発が進められています。より高精細な印刷や、新しい機能を持つ印刷機の実現に向けて、オリフィスプレートの技術は進化し続けています。