
磁気読み書き装置の基礎知識
情報を磁気の力を使って記録したり、取り出したりする機械のことを、磁気読み書き装置といいます。この装置は、磁気カードや磁気テープといった、磁気を帯びることができるものに情報を記録します。身近なものでは、お金の出し入れに使うカードや、銀行の通帳などが挙げられます。これらの物には、磁石の性質を持つ塗料が塗ってあり、この塗料の磁力を変化させることで情報を記録しているのです。磁気読み書き装置は、この塗料の磁力の状態を調べて情報を読み取ったり、逆に磁力を書き換えて情報を記録したりします。
この読み書きの作業を行う部分を磁気ヘッドと呼びます。磁気ヘッドは、電気と磁気の関係を利用して、磁気の状態を電気信号に変えたり、電気信号を磁気の変化に変えたりすることで、情報の読み書きを行います。例えば、磁気ヘッドが磁気カードの磁気を調べると、磁気の状態に応じて異なる電気信号が発生します。この電気信号を解読することで、カードに記録されている情報を読み取ることができるのです。逆に、情報を記録する際には、磁気ヘッドが電気信号を送り、磁気カードの磁力を変化させます。こうして、伝えたい情報を磁気の模様として記録するのです。
最近は、触れなくても使えるカードが増えてきたため、磁気読み書き装置を使う機会は減ってきています。しかし、会社への出入りを管理する機械や、ホテルの部屋に入るための鍵、一部の電車やバスに乗るための切符など、まだまだ様々なところで活躍しています。このように、磁気読み書き装置は、私たちの生活を支える隠れた立役者と言えるでしょう。
例えば、会社の出退勤記録を管理するシステムを考えてみましょう。社員証に埋め込まれた磁気テープに、社員番号などの情報が記録されています。社員が出社や退社時に社員証を読み取り機にかざすと、読み取り機の中の磁気ヘッドが磁気テープの情報を読み取ります。そして、読み取った情報に基づいて出退勤時刻が記録されるのです。このように、磁気読み書き装置は、情報を記録し、必要な時に取り出すことで、様々なシステムを支えています。