磁化パターン

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アナログ

磁気潜像:目に見えぬ画像の秘密

磁気潜像とは、磁気を使って画像や音声、情報を記録する物に、記録した直後の目には見えない状態のことを指します。磁気を使う記録の仕組みは、とても小さな磁石がたくさん並んでいて、その一つ一つの磁石の向きを変えることで情報を記録します。磁気潜像は、これらの小さな磁石の向きが変わり、情報が記録された状態ですが、まだ目に見える形になっていない状態のことを言います。 例えるなら、写真に似ています。カメラで写真を撮ると、光がフィルムに当たり、フィルムの中で化学変化が起きます。しかし、この時点では写真は何も写っていません。現像液に浸けることで初めて、写っているものが浮かび上がってきます。磁気潜像もこれと同じで、情報が記録された磁気的な変化は起きているものの、まだ目に見える形にはなっていないのです。 磁気潜像は、様々な記録媒体で使われています。昔よく使われていたカセットテープやビデオテープも、この仕組みを利用しています。また、少し前までパソコンなどで使われていたフロッピーディスクや、今も使われているハードディスクも磁気記録を利用しています。クレジットカードやキャッシュカードなどにも、磁気記録が使われているものがあります。 これらの記録媒体は、表面にとても小さな磁石の粒子がたくさん並んでいます。録音や録画、データの書き込みを行うと、電気信号によって磁気が発生し、この磁気が小さな磁石の向きを変えます。この磁石の向きの並び方が、記録された情報となります。磁気潜像は、まさにこの小さな磁石の向きが変わった状態、つまり情報が記録されているけれども、まだ目に見えない状態のことを指します。この目に見えない磁気潜像を、専用の装置を使って読み取ることで、記録された情報を取り出すことができます。