
写真の画角:広さ活用の技
写真の画角とは、カメラのレンズを通して見える範囲の広さを角度で表したものです。まるで、レンズが見ている世界の大きさを角度で測っているようなものです。人間の目はとても広い範囲を見ることができ、左右合わせておよそ180度、上下合わせておよそ130度もの範囲を一度に見渡せると言われています。しかし、カメラのレンズの場合は、レンズの種類によって見える範囲が大きく変わります。
レンズには大きく分けて、広い範囲を写せる広角レンズと、遠くのものを大きく写せる望遠レンズがあります。広角レンズは人間の視野に近い広い範囲を写すことができます。まるで、その場に立って見ているかのような、広がりを感じさせる写真が撮れます。一方、望遠レンズは遠くにある被写体を大きく写し出すことができます。遠くの鳥や、スポーツ選手の表情など、肉眼では見えない細部まで捉えることができます。
この画角は、写真の構図を決める上でとても大切な要素です。被写体との距離感や、背景の広がりを調整することで、写真の印象を大きく変えることができます。例えば、同じ場所に立っていても、広角レンズを使えば周りの景色を広く写し込み、雄大な風景写真を作ることができます。逆に望遠レンズを使えば、特定の被写体を大きく写し、背景をぼかすことで、被写体を際立たせることができます。
被写体と背景の関係性も、画角によって大きく変化します。広角レンズでは被写体と背景の距離感が強調され、奥行きのある写真になります。一方、望遠レンズでは被写体と背景が圧縮されて写るため、背景の影響が少なくなり被写体に注目が集まります。このように、同じ被写体でも、画角を変えるだけで全く違う雰囲気の写真に仕上がります。雄大な景色を広く写したい時、遠くのものを大きく写したい時、被写体を際立たせたい時など、撮影したい場面や表現したい気持ちに合わせて、最適な画角のレンズを選ぶことが大切です。