
コロナ放電:光と電気の神秘
私たちの身の回りには、電気が満ちあふれています。普段は感じることができませんが、空気の中にも電気が存在しています。空気はふつう電気を通しませんが、ある一定以上の強い電気が加わると、電気を通すようになります。これを放電といいます。放電には様々な種類がありますが、その一つにコロナ放電というものがあります。
コロナ放電は、電極の周りに淡い光を放つ現象です。高電圧がかかった電線や、先のとがった物の周りで観察することができます。まるで電気が空気と遊んでいるように、美しい光を放ちます。この光は、空気が電気を帯びることで光るのです。自然界では、雷も放電の一種です。稲妻の光は、大規模な放電によって発生する光なのです。
コロナ放電の光は、電極の形や、周りの気体の種類、気圧などによって色や形が変わります。例えば、電極の先がとがっているほど、放電は起こりやすくなります。また、周りの気体の種類が変わると、光の色が変わることがあります。例えば、ネオンガスの中では赤い光、アルゴンガスの中では青白い光を放ちます。気圧が低いほど、放電は広範囲に広がります。まるで生きているように、様々な表情を見せてくれる現象です。
コロナ放電は、私たちの生活にも利用されています。例えば、コピー機や空気清浄機などにも使われています。コピー機では、静電気を利用してトナーを紙に転写する際にコロナ放電を利用しています。また、空気清浄機では、コロナ放電によって発生するイオンを使って、空気中の汚れを吸着させています。このように、コロナ放電は私たちの生活を支える、大切な技術の一つなのです。