暗電流

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写真撮影の落とし穴:暗放電の影響

光のない場所で電気が流れることを暗放電といいます。まるで、見えない所でこっそりと電気が逃げ出しているかのようです。写真撮影では、カメラの中の光を感じる部品、感光体が、光を電気の信号に変えて、写真を作っています。この感光体は、光が当たっていなくても、わずかに電気を帯びています。 感光体は、光を浴びて電気の信号を出すことで、私たちが見ている景色を写真に焼き付けてくれます。しかし、暗い場所に置かれた感光体は、まるで静電気がパチッと放電するように、蓄えていた電気を自然に放出してしまいます。これが暗放電です。光が当たって生まれる電気の信号とは違うため、写真には本来ないものが写り込んでしまいます。まるで、いたずら書きのように、白い点や筋が写真に現れることがあります。これは、暗放電によって感光体が本来とは違う反応をしてしまうことが原因です。 暗放電は、長時間光を当てて撮影する時や、温度が高く湿っぽい場所で撮影する時に起こりやすい現象です。特に、夜空に輝く星を撮影する時など、長時間カメラのシャッターを開けておく必要がある場合は、暗放電の影響が強く出てしまうことがあります。まるで、美しい星空の絵に、白い点が散らばってしまったかのようになります。 暗放電を防ぐためには、カメラを低い温度で保つ、短い時間で撮影するなどの工夫が必要です。また、カメラによっては、暗放電の影響を減らすための機能が備わっているものもあります。これらの機能を使うことで、暗放電による写真の劣化を防ぎ、より美しい星空の写真を撮ることができるでしょう。
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暗電流と写真への影響

光のない暗い場所で写真を撮ると、本来真っ黒になるはずの画像に、ざらざらとした模様や色のついた斑点のようなものが見えることがあります。これが、写真の専門用語で「暗電流ノイズ」と呼ばれるもので、その原因となるのが「暗電流」です。 暗電流とは、カメラの心臓部である画像センサーに、光が全く当たっていない状態でも電流が流れてしまう現象のことです。まるで、見えない光がセンサーに当たっているかのように、電気が発生します。この電気は本来の光の信号とは異なるため、ノイズ、つまり邪魔な信号として画像に現れ、画質を低下させてしまいます。 この暗電流は、センサーを作っている物質の性質によって起こります。温度が高いほど活発に電気の流れやすい性質があるため、気温の高い夏場や、カメラを長時間使用してセンサーが温まっている状態では、暗電流の影響がより顕著になります。例えば、夏の暑い日に星空を撮影するために長時間露光すると、この暗電流ノイズが写真に白っぽい斑点やもやのように現れ、せっかくの星空写真が台無しになってしまうこともあります。 暗電流は、センサー自体が発生させている電気信号のため、光による信号とは異なり、完全に取り除くことは困難です。光がセンサーに当たって電気信号が発生する仕組みは、光電池とよく似ています。光電池は光が当たると電気を発生させますが、暗電流は光がなくてもセンサー自身がわずかながら電気を流し続けている状態と言えるでしょう。 近年のカメラでは、この暗電流ノイズを抑える様々な工夫が凝らされています。冷却機能を備えたカメラや、画像処理でノイズを軽減する技術など、技術の進歩によって暗電流の影響は小さくなってきていますが、それでも長時間露光や高温下での撮影では注意が必要です。撮影条件やカメラの特性を理解し、適切な設定で撮影することが、美しい写真を作る上で重要です。