
データの縮小:冗長性抑圧とは
絵や動画などの電子の記録は、今や私たちの暮らしにはなくてはならないものとなっています。これらの記録は、計算機の中では0と1の数字の連なりで表されています。しかし、このままだと記録の大きさがとても大きくなり、しまっておいたり、送ったりするのに時間がかかってしまいます。そこで、記録の大きさを小さくする技術が大切になります。余分な部分を抑えることは、このような記録を小さくする技術の一つで、記録の中に隠れている無駄な情報を削り落とすことで、記録の大きさを小さくする方法です。
例えば、空の青い色の写真があったとします。この写真には、空の色を表す情報がたくさん含まれていますが、空全体が同じような青色であれば、全ての点の色情報を記録する必要はありません。一部分の色情報と、「ここからここまで同じ色」という情報があれば、元の画像を再現することができます。これが冗長性抑圧の基本的な考え方です。
冗長性抑圧には、大きく分けて可逆圧縮と非可逆圧縮の二種類があります。可逆圧縮は、圧縮したデータを元に戻した時に、完全に元のデータと同じ状態に戻せる方式です。圧縮率は低くなりますが、データの劣化がないため、設計図や医療画像など、正確さが求められるデータに適しています。代表的な方式としては、ZIP形式などがあります。
一方、非可逆圧縮は、圧縮したデータを元に戻した時に、元のデータと完全に同じにはならない方式です。一部の情報が欠落しますが、その分圧縮率を高めることができます。写真や動画、音楽データなど、多少の劣化が許容されるデータに適しています。代表的な方式としては、JPEG形式やMP3形式などがあります。
このように、冗長性抑圧は、記録の大きさを小さくすることで、保存容量の節約や伝送時間の短縮に役立っています。また、インターネットの普及により、大量のデータがやり取りされる現代社会において、ますます重要な技術となっています。今後、より高効率な圧縮技術が開発されることで、私たちの生活はさらに便利になっていくでしょう。