後処理

印刷物は、印刷機から出てきただけでは完成形ではありません。印刷後の紙の束をきちんと揃えたり、折り畳んだり、綴じたり、穴を開けたりといった仕上げ作業が必要です。こうした作業は、以前は人の手で行われており、多くの時間と手間がかかっていました。例えば、冊子を作る際には、一枚一枚の紙を順番通りに重ねる作業を丁寧に行わなければならず、熟練の技術と集中力が必要でした。また、大量の印刷物を扱う場合は、作業時間も長く、納期に間に合わせるために夜遅くまで作業することも珍しくありませんでした。 しかし、「フィニシャ」と呼ばれる機械の登場により、状況は大きく変わりました。フィニシャは、印刷機から出てきた紙を自動的に処理する機械です。紙を順番通りに揃える「丁合」と呼ばれる作業をはじめ、折り畳み、綴じ、穴開けなど、様々な仕上げ作業を自動で行うことができます。これにより、人手によるミスを減らし、仕上がりの質を高く保つことが可能になりました。また、フィニシャは大量の印刷物を短時間で処理できるため、納期の短縮にも大きく貢献しています。以前は数日かかっていた作業が、数時間で完了することもあります。 さらに、フィニシャの導入は、経費削減にもつながります。仕上げ作業の自動化により、人件費を大幅に削減することができるからです。また、作業員の負担を軽減することで、従業員の健康を守り、より創造的な仕事に集中できる環境を作ることができます。例えば、これまで仕上げ作業に多くの時間を費やしていた従業員は、新しい印刷技術の研究や顧客との打ち合わせなど、より付加価値の高い業務に時間を割くことができるようになります。このように、フィニシャは印刷業界全体の効率化に大きく貢献していると言えるでしょう。