
写真と動画の編集技法:同ポジ撮影
同じ場所で、カメラも被写体も動かさずに複数の写真や動画を撮る方法を、同ポジ撮影と言います。「同一場所撮影」を短くした言い方で、動画の編集でよく使われますが、写真の編集でも役立ちます。
この方法を使うと、被写体の動きや変化、背景の変化を際立たせることができます。例えば、人が一瞬で服を着替えたり、景色だけが変わる様子を見せたい時に、この同ポジ撮影が役に立ちます。カメラの位置が変わらないので、見る人は自然と変化した所に目が行き、強い印象を受けます。
同ポジ撮影で撮った複数の写真を繋げると、まるでひと続きの場面のように見せることもできます。例えば、植物の成長を記録する場合、毎日同じ場所で同じアングルで撮影することで、数日間の変化を短い動画にまとめることができます。また、商品写真などで、商品の周りの小物だけを変えて複数のバリエーションを撮影する場合にも、同ポジ撮影は便利です。商品の位置が変わらないため、比較しやすく、それぞれの小物の効果が分かりやすくなります。
動画編集では、この技法を使って、人物が消えたり現れたりする不思議な効果や、背景だけが劇的に変化する様子などを表現できます。例えば、何もない場所に人が突然現れたり、都会の景色が一瞬で自然豊かな風景に変えるといった表現が可能です。また、複数の人物が入れ替わる場面なども、同ポジ撮影を使うことで違和感なく自然に表現できます。
同ポジ撮影をする際の注意点は、カメラをしっかりと固定することです。三脚を使うなどして、カメラが少しでも動かないように工夫することが大切です。また、被写体の位置もできるだけ変えないように注意しましょう。わずかなズレでも、繋げた時に不自然に見えてしまうことがあります。スマートフォンのカメラにもタイマー機能やグリッド線表示機能があるので、それらを活用すると、より正確に同ポジ撮影ができます。