可逆圧縮

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写真の容量を小さく!圧縮の基礎知識

写真は、今や私たちの暮らしに欠かせないものとなっていますが、そのままではデータ量が大きくなり、保存や送受信に不便が生じることがあります。例えば、最近の携帯電話で撮った写真は、一枚で数百万から数千万単位の情報量を持つこともあります。この大きなデータ量を扱うのは、機器の負担となるだけでなく、時間もかかってしまいます。そこで活躍するのが「写真の圧縮」という技術です。 写真の圧縮とは、写真のデータ量を減らす技術のことです。圧縮には大きく分けて二つの方法があります。「可逆圧縮」と「非可逆圧縮」です。可逆圧縮は、画質を落とさずにデータ量を小さくする方法です。ジグソーパズルのように、バラバラにした部品を後で元通りに組み立てることができるように、写真の情報を分解し、後で元に戻せるように記録します。この方法では、画質は変わりませんが、データ量の減少はあまり大きくありません。一方、非可逆圧縮は、画質を多少落とす代わりに、データ量を大幅に小さくする方法です。不要な情報を削ぎ落としてデータ量を減らすため、元の状態には完全に戻せません。しかし、圧縮率が高いため、データ量は大幅に減らすことができます。 写真の圧縮には様々な利点があります。まず、記憶装置に必要な場所を節約できます。何千枚もの写真を保存する場合、圧縮することで多くの場所を空けることができます。また、インターネットで写真を送ったり受け取ったりする速度も上がります。データ量が小さければ小さいほど、送受信にかかる時間は短くなります。ホームページに写真を載せる場合にも、圧縮は重要です。大きな写真を使うと、ページが表示されるまで時間がかかってしまい、見る人が離れてしまうかもしれません。圧縮することで、ページの表示速度を速くし、快適に見てもらうことができます。このように、写真の圧縮は、現代の生活において、写真を扱う上で欠かせない技術と言えるでしょう。
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写真データのロスレス圧縮:劣化ゼロで保存

影絵のように情報の少ない白黒画像や、医療現場で使われるレントゲン写真、緻密な設計図のようなコンピュータ画像など、一点の狂いも許されない大切な画像を扱う際には、ロスレス符号化が欠かせません。ロスレス符号化とは、画像の情報を詰め込む際に、元々の画像情報を完全に保ったまま、ファイルの大きさを小さくする方法です。小さくしたファイルを後で広げれば、元々の画像と全く同じ状態に戻すことができます。まるで折り紙のように、丁寧に折りたたんで小さくして、また広げれば元通りになる様子を想像してみてください。 このロスレス符号化は、「可逆符号化」とも呼ばれています。「可逆」とは、元に戻せるという意味です。一方で、画像を小さくする際に多少の情報が失われてしまう「非可逆圧縮」、つまり「ロッシー符号化」と呼ばれる方法もあります。ロッシー符号化は、音楽ファイルなどでよく使われています。音楽ファイルの場合、多少の音質の違いは人間の耳では気づきにくいからです。しかし、医療画像で少しでも情報が失われてしまうと、診断に影響が出かねません。ですから、正確さが求められる画像にはロスレス符号化が不可欠なのです。 ロスレス符号化は、ファイルの大きさはロッシー符号化ほど小さくはなりませんが、画質は全く変わりません。写真編集の作業中に、編集途中の画像を保存しておく際にもロスレス符号化が役立ちます。高画質のままファイルの大きさを抑えられるため、沢山の画像ファイルを扱う写真家や絵を描く人など、画質にこだわる専門家にとって、ロスレス符号化は頼りになる技術と言えるでしょう。