
写真撮影の基礎:初期電位
写真は、光を受けて画像を作る仕組みですが、そこで電気は欠かせない働きをしています。カメラの中には、光を受けると電気が変化する部品があり、この部品を感光体と呼びます。感光体は、光によって電気の量が変化し、その変化が画像の情報へと変換されます。初期電位とは、光が当たる前の感光体の表面にある電気の量のことです。写真撮影は、まずこの初期電位から始まります。光が当たった後に感光体の電気がどれだけ変化したかは、この初期電位を基準にして測られます。そのため、初期電位は非常に重要です。
適切な初期電位が設定されていないと、光が当たった時の電気の変化が正しく測れず、出来上がる写真の明るさや濃淡に影響が出てしまいます。例えば、初期電位が低すぎると、少しの光でも電気の変化が大きくなり、写真は白っぽくぼやけてしまいます。これは、強い光が当たった時と同じような電気の変化が起きてしまうためです。逆に、初期電位が高すぎると、強い光が当たっても電気の変化が小さくなり、写真は暗くなってしまいます。これは、光が当たっても電気の変化があまり起きないためです。
このように、初期電位は写真の明るさに大きな影響を与えます。また、写真の濃淡にも関係します。初期電位が適切であれば、暗い部分と明るい部分の電気の変化の差がはっきり出るため、濃淡が豊かな写真になります。反対に、初期電位が適切でないと、暗い部分と明るい部分の電気の変化の差が小さくなり、のっぺりとした写真になってしまいます。そのため、周りの明るさなどに合わせて適切な初期電位を設定することが、質の高い写真を撮る上で欠かせない要素となります。