
写真レンズの開口効率を理解する
写真の出来栄えに大きく関わるのが、レンズの開口効率です。これは、レンズの中心と周辺を通る光の量の割合を示すものです。レンズの中心部を通る光は、そのまま撮像素子に届きます。しかし、周辺部を通る光は、レンズの構造や絞りの形によって、一部が遮られてしまうことがあります。この現象は口径食と呼ばれています。
開口効率が高いレンズでは、中心と周辺の光の量が均一に撮像素子に届きます。そのため、写真は全体が明るく、鮮明に写ります。一方、開口効率が低いレンズでは、写真の周辺部分が暗くなったり、色が変わったりすることがあります。特に、広い範囲を写すレンズや遠くのものを写すレンズで、この現象が目立ちやすいです。
口径食は、絞りを絞り込むことで軽減できます。絞りを絞り込むと、レンズを通る光の量が全体として減りますが、相対的に周辺部の光の量が中心部に近づき、明るさの差が小さくなるからです。ただし、絞り込みすぎると、回折現象という別の問題が生じて画質が低下することがあるので、適切な絞り値を見つけることが大切です。
また、レンズの設計によっても開口効率は変わります。一般的に、高性能なレンズは開口効率が高くなるように設計されています。これは、複数のレンズを組み合わせたり、特殊なコーティングを施したりすることで、光の透過率を高め、周辺部の光量低下を抑えているからです。
高画質な写真を撮るためには、開口効率の高いレンズを選ぶことが重要です。レンズを選ぶ際は、明るさだけでなく、開口効率にも注目することで、より満足のいく写真撮影を楽しむことができます。