
消色濃度:見え方の科学
書き換えできる記録用紙などにおいて、一度書いたものを消した後に残る色の濃さを数値で表したものが消色濃度です。 これは、光を当てた時にどれだけ光が反射するかを数値化することで測られます。たとえ肉眼で完全に消えたように見えても、元の状態と全く同じとは限らず、わずかに色が残っている場合があります。
白い紙に青いペンで何かを書き、それを消しゴムで消した場面を想像してみてください。一見すると白い紙に戻ったように見えますが、よく見るとうっすらと青い跡が残っていることがあります。この消した後のわずかな色の変化を数値で表すのが消色濃度です。
この数値は、記録媒体の種類や消し方で変化します。例えば、熱で消えるペンと消しゴムで消えるペンを比べてみましょう。それぞれ消した後の色の濃さは異なるはずです。また、同じペンを使ったとしても、消しゴムの種類や消し方によって濃さが変わることもあります。強くこすれば消えやすいですが、紙が傷んでしまうこともありますし、逆に軽くこすれば紙は傷みにくいですが、インクが残ってしまうこともあります。
消色濃度は、記録媒体の性能を評価する上で重要な指標となります。繰り返し書き換えるタイプの記録媒体では、消色濃度が高い、つまり消した後の色が濃い場合、何度も書き換えるうちに文字が読みにくくなってしまう可能性があります。そのため、高い品質の記録媒体を選ぶためには、消色濃度の低いものを選ぶことが大切です。また、使用する筆記具や消しゴムとの相性も考慮することで、より綺麗に消して長く使うことができます。