
ズームで写真表現を広げよう
写真の写し撮りは、被写体の大きさを自在に操ることで、表現の幅が大きく広がります。そのための大切な技法の一つが「ズーム」です。ズームとは、特殊なレンズを使って被写体の大きさを変える技術のことを指します。遠くにある建物や人物を大きく写したり、逆に近くの草花を画面いっぱいに広げたりすることができるのです。
このズームという技法は、「ズームレンズ」と呼ばれるレンズによって実現されます。ズームレンズには、レンズの焦点距離を変える仕組みが組み込まれています。焦点距離とは、レンズの中心から像を結ぶ点までの距離のことです。この焦点距離を長くすると、被写体は大きく写り、背景は圧縮されたように見えます。遠くのものを引き寄せて大きく写したい時に役立ちます。逆に、焦点距離を短くすると、被写体は小さく写り、背景は広く写ります。広い範囲を写し撮りたい時や、被写体と背景の関係性を強調したい時に効果的です。
ズームレンズには、様々な種類があります。焦点距離の変化の幅が広いレンズは、一本で広角から望遠までをカバーすることができます。例えば、広角側では雄大な風景を広く写し、望遠側では遠くの鳥を大きく捉えるといったことが、レンズ交換無しで可能になるのです。そのため、荷物を減らしたい旅行や、撮影対象が次々と変わるイベントなどで重宝されます。
このように、ズームレンズは、被写体の大きさを自在に変え、様々な表現を可能にすることから、多くの写真愛好家に愛用されているのです。使いこなすことで、写真の表現力は格段に向上するでしょう。