
写真の明るさを自在に操る:露光の基本と応用
写真は、光を使って描く絵画のようなものです。そして、その光をフィルムや撮像素子に焼き付ける作業こそが露光です。露光は、写真にどれだけの光を取り込むかを調整することで、写真の明るさを決める、写真撮影において最も大切な要素の一つです。
カメラのレンズを通った光は、シャッターが開いている間、撮像素子に当たり続けます。この光の量を露光量と言います。露光量が多いと写真は明るくなり、反対に露光量が少なければ写真は暗くなります。ちょうど蛇口から出る水の量でバケツの水位が変わるように、光の量で写真の明るさが変わるのです。
露光は写真の明るさを決めるだけでなく、写真の雰囲気や表現にも大きな影響を与えます。例えば、わざと露光量を少なくして暗い雰囲気を出し、しっとりとした重厚な表現をすることもできます。逆に、露光量を多くして明るくすることで軽やかで楽しい印象の写真にすることも可能です。
露光を理解し、自由に操るようになれば、写真の表現の幅は大きく広がります。例えば、動きのある被写体を撮影する場合、露光時間を短くすることで、被写体の動きをピタリと止めて写すことができます。逆に、露光時間を長くすることで、被写体の動きを軌跡として捉え、躍動感のある写真に仕上げることも可能です。また、風景写真では、露光量を調整することで、空の明るさや雲の質感などを微妙に変え、様々な情景を表現することができます。
光の量を調整することで、写真の明るさを思い通りにコントロールし、自分が頭に描いた通りの写真を作ることができるのです。露光は写真撮影のまさに中心と言えるでしょう。