
映像と舞台、板付きの共通点と違い
「板付き」とは、映画や演劇などで、最初から出演者が舞台や画面の中にいることを指す言葉です。カメラが回り始めたり、幕が上がったりした時に、既に役者さんがそこにいる状態を言います。
この言葉は、もともと演劇で使われていました。劇場の舞台は板で作られていることが多く、その板の上に役者さんがいる状態から「板付き」と呼ばれるようになりました。まるで舞台の一部であるかのように、役者さんが最初からそこに存在している様子を表しています。
今では、映画やテレビ番組など、映像作品を作る現場でもよく使われています。撮影が始まった時に、出演者の方がカメラに映る範囲内にいる状態も「板付き」と言います。演劇の舞台とは違い、映像作品ではカメラのフレームが舞台の板の役割を果たすことになります。
板付きで始まる場面は、独特の雰囲気を作り出します。例えば、物語の始まりから既に緊迫した状況が続いていることを表現したり、登場人物が置かれている環境を自然に示したりすることができます。役者さんが最初から舞台や画面にいることで、観客はすぐに物語の世界に入り込みやすくなる効果もあります。
板付きは、物語を効果的に始めるための演出方法の一つです。観客に何かを強く印象付けたり、自然な流れで物語の世界に引き込んだりするために、演出家や監督によって意図的に使われています。開始早々、既に役者さんがそこにいることで、観客はこれから始まる物語に期待感を抱き、より深く作品にのめり込んでいくことができるでしょう。