
テレシネ:映像の架け橋
テレシネとは、フィルム映像をテレビや計算機などで見られる形に変換する技術、またその変換に使う装置のことを指します。フィルムは、実はパラパラめくりの絵のように連続した一枚一枚の絵からできています。これをそのままテレビや計算機で見ようとすると、動きの滑らかさが失われたり、ちらつきが発生したりしてしまいます。そこで登場するのがテレシネです。
テレシネは、フィルムに焼き付けられた一つ一つの絵を読み取り、テレビや計算機で扱える映像信号に変換します。フィルムの絵は一秒間に二十四枚、テレビの絵は一秒間に三十枚(あるいは二十五枚)ほど表示されますので、絵の枚数を調整する必要があります。例えば、二十四枚の絵を三十枚にするには、フィルムの四枚の絵を五枚に増やすといった処理を行います。
さらに、テレシネは単なる絵の枚数変換だけでなく、画質調整も行います。フィルムは経年劣化により色あせたり、傷が付いたりすることがあります。テレシネでは、これらの劣化を補正し、本来の色味や明るさを再現しようと試みます。また、フィルム独特の質感や雰囲気をデジタル映像でも再現するための技術も用いられます。
このように、テレシネは昔のフィルム映像を現代の機器で楽しめるようにするための、フィルムと現代の映像技術を繋ぐ大切な役割を担っています。古き良き映画を現代に蘇らせる、いわば映像のタイムマシンのようなものと言えるでしょう。