
写真の明暗を操るヒストグラム均等化
写真は、実に様々な明るさの点が集まって一枚の絵を作り上げています。まるで夜空に輝く星のように、無数の点がそれぞれの明るさを放ち、全体として一つの情景を表しているのです。この写真の明るさのばらつき具合、つまり明るさの分布状態を視覚的に分かりやすく示してくれるのが、明るさの分布図、すなわちヒストグラムです。
ヒストグラムは、グラフを使って写真の明るさの分布を表します。グラフの横軸は明るさを示し、左端が最も暗く、右端に向かって明るさが増していきます。一方、グラフの縦軸は、それぞれの明るさを持つ点の数を表します。つまり、グラフの線が上に伸びているほど、その明るさを持つ点の数が多いことを意味します。
ヒストグラムを見ると、写真全体の明るさの傾向や、明るい部分と暗い部分のバランスが一目で分かります。例えば、グラフの山の部分が左側に寄っている場合、写真のほとんどの点が暗い色で構成されているため、写真は全体的に暗く見えます。逆に、山の部分が右側に寄っている場合は、写真のほとんどの点が明るい色で構成されているため、写真は全体的に明るく見えます。また、山の部分が中央に位置し、左右に広がっている場合は、写真の中に明るい部分と暗い部分がバランスよく存在していることを示しています。さらに、山の形が平坦な場合は、明るさが全体的に均一に分布している、つまり、どの明るさもほぼ同じ数だけ存在していることを示しています。
写真の明るさを調整する際に、このヒストグラムは重要な手がかりとなります。ヒストグラムを見ることで、写真の明るさの現状を正確に把握できるため、どのように明るさを調整すれば理想的な写真に近づくのかを判断することができます。例えば、写真が暗すぎる場合は、ヒストグラムの山の部分を右側に移動させるように明るさを調整することで、より見やすい写真にすることができます。このように、ヒストグラムは写真の明るさ調整に欠かせない道具と言えるでしょう。