
写真のざらつき:粒子性の理解
写真や印刷物などは、一見なめらかに見えても、実は小さな点の集まりでできています。この点をよく観察すると、特に空や肌といった本来はなめらかに見える部分で、ざらざらとした質感が浮かび上がってくることがあります。これが「粒子性」と呼ばれるものです。
粒子性は、画像を作る一番小さな単位の粗さ、つまりは粒の大きさや並び方によって生まれるものです。フィルム式のカメラで写真を撮る場合、フィルムに塗られた銀塩と呼ばれる物質の粒が光を受けて化学変化を起こすことで、像が写ります。この銀塩の粒が大きいほど、出来上がった写真は粗く、ざらざらとした見た目になります。
一方、デジタル式のカメラでは、光の量を記録する部品である画素の大きさや、光の受けやすさが粒子性に影響を与えます。暗い場所で撮影するために感度を上げると、画像にざらつきやノイズと呼ばれるものが目立つようになります。これは、少ない光を読み取る際にどうしても起こってしまう小さな誤差が、増幅されてしまうためです。
粒子性は、悪いものだけとは限りません。写真の雰囲気を味わい深くしたり、古風な印象を与えたい時に、あえて粒子性を強調することもあります。むしろ、粒子性があることで独特の風合いが生まれ、見る人に強い印象を与える写真もあるのです。粒子性についてよく理解することで、写真の表現方法を広げ、より豊かな作品作りに繋げることができるでしょう。