
動画編集の最初の作業
動画を作る作業は、まるで映画監督のようです。わくわくする効果音や、場面転換の効果、文字の表示などを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、どんなに素晴らしい技術を持っていても、編集する元の材料がなければ何も始まりません。動画作りは、まず材料集めから始まるのです。
撮影した動画を計算機に取り込む、これが動画作りの第一歩です。最近は、記録用の小さな板や、インターネット上の保管場所から直接データを取り込むのが普通です。しかし、少し前までは「写し替え」と呼ばれる作業が必要でした。これは、昔ながらのビデオテープに記録された映像を、計算機で扱える形に変換する作業です。ビデオデッキと計算機を繋ぎ、専用の道具を使って行っていました。
この「写し替え」作業は、単に記録の形を変えるだけでなく、動画作りに向けた大切な準備段階でもありました。テープを巻き戻したり早送りしたりしながら、必要な場面を探し出す作業は、まるで宝探しのようなものです。どの場面を使うか、どの順番で繋げるか、頭の中で動画の構成を練りながら、必要な部分だけを計算機に取り込んでいました。
また、写し替えの際には、映像の明るさや色合いを調整することもありました。ビデオテープの映像は、経年劣化などで画質が落ちている場合もあります。そのため、写し替えと同時に、少しでも見やすくするために調整を行うのです。
こうして丁寧に準備された材料があってこそ、初めて動画編集という創造的な作業が始まります。材料を吟味し、最適な形に整えることで、より質の高い動画を作り上げることができるのです。