
無許可撮影の注意点:ダマテン
撮影の許可を得ずに、こっそりと撮影することを、映像制作の現場では『だまし撮り』と呼ぶことがあります。これは、麻雀用語の『だまてん』からきている言葉で、『だまして撮影する』という意味で使われます。特に、許可を得るのが難しい場所での撮影でよく使われる言葉です。
例えば、道路や広場、あるいは多くの人が行き交う駅など、撮影許可を得るのが難しい場所での撮影がこれに当たります。許可を得るための手続きが煩雑であったり、許可が下りるまでに時間がかかったりする場合、あるいは許可自体が下りない可能性が高い場合など、様々な理由から『だまし撮り』が行われることがあります。
有名な場所の一つに、渋谷のスクランブル交差点が挙げられます。多くの人が行き交うこの場所は、撮影許可を得るのが非常に難しく、実際、『だまし撮り』で撮影する人も少なくありません。また、通行人の自然な表情や様子を撮影したい場合なども、『だまし撮り』が行われることがあります。あらかじめ撮影だとわかると、どうしても人は身構えてしまい、自然な表情ではなくなってしまいます。『だまし撮り』であれば、そうした身構えのない、ありのままの姿を捉えることができるのです。
しかし、『だまし撮り』は、常にリスクを伴う行為であることを忘れてはなりません。無許可で撮影を行うことは、法律に触れる可能性があり、最悪の場合、罰則が科せられることもあります。また、周囲の人々に迷惑をかけたり、不快な思いをさせたりする可能性もあります。撮影に夢中になるあまり、周囲への配慮を欠いてしまうと、トラブルに発展しかねません。
そのため、『だまし撮り』を行う際は、細心の注意を払う必要があります。周囲の状況をよく確認し、人々に迷惑をかけないように配慮することが大切です。また、必要に応じて、撮影後に関係者への説明や謝罪を行うことも必要です。倫理的な側面も考慮し、責任ある行動を心がけるようにしましょう。