
コリメータレンズ:平行光を作るレンズ
写真は、光をとらえる芸術です。そして、写真の良し悪しは、光をどう扱うかで大きく変わります。カメラのレンズから、光を受け取る部分までの光の道筋には、様々な部品が関わっています。今回は、光を平行にする特別なレンズ、「集光レンズ」について説明します。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は私たちの暮らしの中でも、なくてはならない大切な部品なのです。
集光レンズは、様々な方向に広がる光を、平行な光に変えるレンズです。懐中電灯を思い浮かべてみてください。電球から出た光は、そのままではあらゆる方向に広がってしまいます。しかし、集光レンズを使うことで、光をまっすぐ進む平行な光に変え、遠くまで届けることができます。映画館の映写機や、舞台照明にも、この集光レンズが使われています。大きなスクリーンに、はっきりと明るく映像を映し出すのも、舞台を鮮やかに照らすのも、集光レンズのおかげなのです。
また、集光レンズは、光を一点に集めることもできます。虫眼鏡で太陽の光を集めて紙を焦がす実験を思い出してください。あれも集光レンズの働きによるものです。カメラのレンズも、この原理を利用して、光を集めて像を映し出しています。さらに、バーコードリーダーにも集光レンズが使われています。バーコードにレーザー光を当て、その反射光を集めて情報を読み取っています。スーパーマーケットのレジなどで、商品をピッと読み取る時に、集光レンズが活躍しているのです。
このように、集光レンズは、光を平行にしたり、一点に集めたりすることで、私たちの生活の様々な場面で役立っています。普段は目に触れることは少ないかもしれませんが、光を操る技術には欠かせない、重要な部品なのです。