
動き出す絵の魅力:アニメーションの世界
動画は、パラパラ漫画のように、たくさんの絵が連続して表示されることで動いているように見えます。一枚一枚の絵は静止画ですが、これらを高速で切り替えることで、あたかも動いているかのような錯覚を目に与えます。この静止画一枚一枚を「こま絵」と呼びます。
こま絵が連続して表示される速さを「こま数」または「フレームレート」と言います。こま数は通常、一秒間に何枚のこま絵を表示するかで表され、単位はfps(フレーム毎秒)を使います。例えば、24fpsであれば、一秒間に24枚のこま絵が表示されます。こま数が多ければ多いほど、動画は滑らかに見えます。映画は一般的に24fps、テレビ放送は30fpsまたは60fpsが使われています。
動画を滑らかに見せるためには、隣り合うこま絵の絵柄の差が小さいことが重要です。こま絵同士の絵柄の差が大きいと、動画はカクカクして見えてしまいます。例えば、ボールが動く様子を動画にする場合、こま絵ごとにボールの位置を少しずつずらしていくことで、滑らかな動きを表現できます。逆に、こま絵ごとにボールの位置が大きくずれていると、ボールが瞬間移動しているように見えてしまいます。
人間の目は、残像効果という性質を持っています。これは、見たものが網膜に少しの間だけ残る現象です。この残像効果のおかげで、高速で切り替わるこま絵が繋がった動きとして認識され、動画として見ることができるのです。パラパラ漫画をめくる速度が遅い時は一枚一枚の絵がバラバラに見えますが、めくる速度が速くなると、絵が動いているように見えるのは、この残像効果によるものです。
このように、動画は静止画のこま絵を連続して表示し、残像効果を利用することで動いているように見せているのです。こま数やこま絵同士の絵柄の差を調整することで、様々な動きを表現し、見ている人に感動を与えます。