
動画制作における粗編集の重要性
動画作りは、幾つもの工程を経て、ようやく完成を迎えます。その中でも、最初の土台となる重要な工程が「粗編集」です。まるで、家を建てる前に設計図を描くように、動画の骨組みを作る作業とも言えます。
まず、撮影された山のような動画素材の中から、使えそうな場面(良い場面)を選び出すことから始めます。録画時間は長時間に及ぶこともありますが、物語に必要かどうか、見ている人に伝わる映像かどうかを基準に、丁寧に選別していきます。まるで、宝探しのように、原石の中から輝く宝石を見つけるような作業です。
良い場面を選び出したら、今度はそれらを物語の順番通りに並べ替えていきます。これは、バラバラのパズルのピースを組み合わせて、一枚の絵を完成させるようなものです。どの場面をどの順番で見せるかによって、物語の伝わり方が大きく変わってくるため、慎重に検討する必要があります。時には、場面の順番を入れ替えたり、不要な場面を削ったりしながら、より良い流れになるように調整していきます。
この粗編集の段階では、まだ細かな色の調整や効果音の追加などは行いません。あくまでも、動画全体の構成や流れを大まかに決めることが目的です。粘土で像を作る時、最初に大まかな形を作るのと同じように、後の工程のための土台作りと言えるでしょう。
一見地味な作業に思えるかもしれませんが、粗編集は動画作りにおいて非常に大切な役割を担っています。ここで作られた骨組みが、最終的な動画の完成度を大きく左右するからです。丁寧に時間をかけて、しっかりと土台作りをすることで、より魅力的な動画を作り上げることができるでしょう。