
回転フィルタで色鮮やかに
写真には、私たちの目に映る色鮮やかな世界を再現するために、様々な工夫が凝らされています。その一つに回転ろ波器方式と呼ばれる、色の分解方法があります。この方法は、まるで万華鏡のように光を操り、鮮やかな画像を作り出します。
回転ろ波器方式では、まず原稿となる写真に光を当てます。この時、光源と、光を受ける部品との間に、赤、青、緑の三色の光だけを通すろ波器を回転させます。このろ波器は、まるで光の扉のように、赤、青、緑の光を順番に切り替えて、原稿に照射します。
原稿に赤色の光が当たると、原稿に含まれる赤い色の情報だけが反射、あるいは透過します。この光を、光を受ける部品で捉え、電気信号に変換することで、赤色の情報が記録されます。次に、ろ波器が回転して青色の光が原稿に当たると、今度は青色の情報だけが反射、あるいは透過し、光を受ける部品によって捉えられます。同様に、緑色の光についても、ろ波器の回転に合わせて情報が記録されます。
このように、ろ波器を回転させることで、一枚の写真は赤、青、緑の三色の情報に分解されます。これらの情報は、数値データとして保存され、コンピュータで処理されます。そして、これらの数値データに基づいて、画面に色が再現されるのです。私たちが普段見ている鮮やかな写真は、実はこのような複雑な工程を経て作り出されているのです。回転ろ波器方式は、光の三原色を巧みに利用することで、色の情報を正確に捉え、鮮やかな画像を作り出す、優れた色の分解方法と言えるでしょう。