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映像方式PAL:世界で活躍するもう一つの方式

色のついた映像信号を組み合わせて送る方法を決めたものの一つに、ピーエーエル方式というものがあります。この方式は、位相反転線という意味を持つ名前で、主にヨーロッパ、東南アジア、中東、アフリカの一部、ブラジル、オーストラリアなどで使われています。西ドイツが中心となって開発されました。 日本ではエヌティーエスシー方式が主流ですが、世界的にはピーエーエル方式も広く使われています。この二つの方式は、色の情報を送る方法が違います。そのため、互いに組み合わせることができず、ピーエーエル方式の映像をエヌティーエスシー方式のテレビで見たり、その逆を行うと、色がにじんだりちらついたりして、きちんと見ることができません。例えば、ピーエーエル方式で録画されたディーブイディーを日本のエヌティーエスシー方式のディーブイディー再生機で見ようとすると、映像が正しく表示されません。 ピーエーエル方式は、エヌティーエスシー方式に比べて、色のずれを自動的に直す仕組みを持っています。一秒間に送る画面の数は、ピーエーエル方式が25枚、エヌティーエスシー方式が30枚です。また、画面の明るさや色の情報を送る信号の周波数も違います。これらの違いによって、画質や色の鮮やかさにも違いが出てきます。 海外旅行などで現地の映像作品を持ち帰る場合は、その地域の映像方式を確認することが大切です。例えば、ヨーロッパで購入したディーブイディーを日本で見るためには、対応した再生機が必要になります。このように、ピーエーエル方式とエヌティーエスシー方式の違いを理解することは、世界の様々な映像作品を楽しむ上で欠かせない知識と言えるでしょう。