アイリス

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写真の明るさを操る:アイリスの役割

人の目は、周りの明るさに合わせて瞳の大きさを変えることで、取り入れる光の量を調節する機能を持っています。この瞳の大きさを変えている部分が虹彩です。写真機にも、同じように光の量を調節する部品があり、こちらも虹彩と呼ばれています。写真機では、この虹彩の役割を果たすのが、薄い金属の板を複数枚重ねた、絞り羽根と呼ばれる部品です。絞り羽根は、ちょうど虹彩のように、その開き具合を調整することで、レンズから入る光の量を制御します。 この絞り羽根の開き具合のことを絞り値と呼び、一般的にはF値と表現されます。F値は、F1.4、F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11、F16、F22といった数字で表されます。F値の数字が小さいほど、絞り羽根は大きく開き、たくさんの光を取り込みます。例えば、F1.4は絞り羽根が大きく開いた状態であり、たくさんの光がレンズを通ります。逆に、F値の数字が大きいほど、絞り羽根は小さく閉じ、入る光の量は少なくなります。例えば、F22は絞り羽根がほとんど閉じた状態であり、レンズを通る光はわずかです。 絞り値は、写真の明るさだけでなく、写真の写り具合にも大きな影響を与えます。絞り値を小さくすると、背景がぼやけた写真になり、主題を際立たせる効果があります。逆に、絞り値を大きくすると、写真の全体にピントが合った、くっきりとした写真になります。風景写真など、全体をはっきりと見せたい場合に有効です。このように、絞り値を調整することで、写真の明るさだけでなく、表現方法も大きく変えることができます。虹彩、つまり絞り羽根は、写真表現において非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。