写真撮影の角度:ハイアングルとローアングル

写真撮影の角度:ハイアングルとローアングル

写真について聞きたい

先生、『ハイアングル』って、高いところから撮るっていう意味ですよね?

写真研究家

そうだね。高い位置から見下ろすように撮ることを『ハイアングル』っていうんだ。たとえば、高い建物の上に登って、下の人たちを撮ったりする場合だね。

写真について聞きたい

じゃあ、高い建物全体を撮りたいときは、高いところから撮るより、下から見上げるように撮ったほうがいいんですか?

写真研究家

その通り!建物の高さを強調したいなら、下から見上げる『ローアングル』で撮ると、迫力のある写真になるよ。

ハイアングルとは。

「写真撮影」と「写真編集」で使う言葉、「高い角度」について説明します。「高い角度」とは、撮りたいものを上から見下ろすようにカメラを構えることです。反対に、「低い角度」とは、撮りたいものを下から見上げるようにカメラを構えることです。一枚目の写真は、高い建物を見下ろす「高い角度」で撮りました。高い建物を見下ろすと、建物の高さが感じられません。二枚目の写真は、同じ建物を下から見上げる「低い角度」で撮りました。こちらのように低い角度で撮ると、建物の高さがよく分かります。いつもと違う写真にするには、カメラの角度が大切です。立ったまま、目線と同じ高さで撮ると、ありきたりな写真になりがちです。同じものでも高い角度や低い角度で撮ってみると、きっと新しい発見があるはずです。

写真の印象を変える様々な角度

写真の印象を変える様々な角度

一枚の写真の雰囲気を大きく変えるのが、写真の写し方、つまりカメラの角度です。同じものを写しても、カメラの位置を少し変えるだけで、写真の感じはガラリと変わります。

例えば、人を写すときを考えてみましょう。

目の高さで写すと、普段見ているような自然な姿になります。

一方、高いところから見下ろすように写すと、写っている人は小さく、弱々しく見えます。逆に、低いところから見上げるように写すと、写っている人は大きく、力強く見えます。

このように、カメラの位置を高くしたり低くしたりするだけで、写真の印象は大きく変わります。

また、カメラの角度だけでなく、カメラの向きも大切です。

正面から写すと安定した印象になりますが、斜めから写すと動きのある躍動的な印象になります。

さらに、被写体との距離も写真の印象に影響を与えます。

被写体に近づいて写すと、背景がぼやけて被写体が際立ち、より印象的な写真になります。逆に、被写体から離れて写すと、周りの景色も一緒に写り込み、被写体と周りの関係性が伝わる写真になります。

被写体の良さを引き出すためには、どんな角度で写せばいいのか、よく考えてみましょう。伝えたいこと、表現したい雰囲気に合わせて、カメラの位置や向き、被写体との距離を工夫することで、より魅力的な写真を作ることができます。

要素 効果
カメラの高さ (目線) 自然な印象
カメラの高さ (高い位置) 被写体が小さく、弱々しい印象
カメラの高さ (低い位置) 被写体が大きく、力強い印象
カメラの向き (正面) 安定した印象
カメラの向き (斜め) 動きのある躍動的な印象
被写体との距離 (近い) 背景がぼやけ、被写体が際立つ
被写体との距離 (遠い) 周りの景色も写り、被写体と周りの関係性が伝わる

高い場所からの撮影:ハイアングル

高い場所からの撮影:ハイアングル

高い位置から見下ろすように撮ることを『高い視点からの撮影』と言います。この撮り方は、被写体に対して優位な立ち位置から眺めるような印象を与えます。まるで鳥になったかのように、普段は見られない景色を捉えることができ、写真の表現方法を広げます。

高い建物や山の頂上などから街並みを撮る場面を想像してみてください。建物がまるで模型のように見え、行き交う人々や車は小さなおもちゃのようです。このような効果は、広大な景色を一枚の写真に収めたい時に最適です。雄大な自然の風景を撮る時にも、この撮り方はその広がりを強調する効果があります。

また、高い視点からの撮影は、被写体の心理状態を表現するのにも役立ちます。見下ろすことで、被写体が小さく弱々しく見え、無力感や孤独感といった感情を効果的に伝えることができます。逆に、周囲の景色を広く写し込むことで、開放感や自由さを表現することも可能です。

いつも見ている景色でも、高い場所から見下ろすと全く違った印象になります。例えば、近所の公園の木々や遊具も、高い視点から見ると、普段気づかなかった配置や形が見えてくるでしょう。いつもの散歩道も、高い場所から見下ろせば、新たな発見があるかもしれません。日常の中に隠された非日常を見つけるには、この撮影方法はとても効果的です。

ただし、注意すべき点もあります。あまりにも高い位置から撮ると、被写体の細かい部分が分からなくなってしまいます。何を主題にしたいのか、どんな雰囲気の写真にしたいのかを考えながら、最適な高さを選ぶことが大切です。被写体との距離、周りの景色とのバランスを見ながら、色々な高さから試してみることで、より印象的な写真が撮れるでしょう。

高い視点からの撮影 メリット デメリット その他
高い位置から見下ろすように撮影
  • 被写体に対して優位な立ち位置からの印象
  • 普段見られない景色を捉えられる
  • 広大な景色を一枚の写真に収められる
  • 雄大な自然の広がりを強調
  • 被写体の心理状態(無力感、孤独感、開放感、自由さ)を表現
  • いつも見ている景色を違った印象に
  • 日常の中に隠された非日常を発見
被写体の細かい部分が分からなくなる
  • 何を主題にするか、どんな雰囲気にしたいかを考えて高さを選ぶ
  • 被写体との距離、周りの景色とのバランスを見る
  • 色々な高さから試してみる

低い場所からの撮影:ローアングル

低い場所からの撮影:ローアングル

低い位置からの撮影、いわゆるローアングルは、写真に独特の印象を与える効果的な方法です。普段見慣れた景色や被写体でも、視点を変えるだけで全く違った雰囲気を表現することができます。

ローアングルとは、被写体を見上げるような低い位置からカメラを構える撮影技法のことです。例えば、地面すれすれから花を見上げるように撮影したり、子供の目線で周囲の風景を捉えたりする様子を想像してみてください。これらの撮影方法がローアングルに該当します。

ローアングルで撮影すると、被写体が実際よりも大きく、力強く写ります。これは、低い位置から見上げることで、被写体が空に向かってそびえ立つように見えるためです。そのため、被写体の存在感を強調したい場合や、力強さを表現したい場合に非常に効果的です。小さな花でも、ローアングルで撮影すれば、普段は見過ごしてしまうような細部まで鮮やかに浮かび上がり、力強い生命力を感じさせる写真に仕上がります。

また、ローアングルは背景を広く写し込むことができるため、空を大きく取り入れることができます。画面の大部分を占める空は、写真に開放感や爽快感を与え、見ている人に広々とした印象を与えます。特に、晴れた日の青空や、夕焼けの美しい空を背景にすれば、より印象的な写真になります。

ローアングルで撮影する際の注意点として、無理な姿勢での撮影は危険を伴うことを忘れてはいけません。地面に寝転がったり、かがんだりする際に、周囲の安全を確認し、転倒や怪我に十分注意しましょう。三脚などを使用すると安定した撮影が可能になり、構図の微調整もしやすくなります。少しの工夫と注意で、迫力のある、記憶に残る写真が撮れるはずです。

ローアングルとは 被写体を見上げるような低い位置からカメラを構える撮影技法
効果
  • 被写体が大きく、力強く写る(存在感、力強さの強調)
  • 背景を広く写し込める(開放感、爽快感の演出)
注意点 無理な姿勢での撮影は危険。周囲の安全確認、転倒や怪我に注意。三脚の使用推奨。

角度による写真の変化

角度による写真の変化

同じものを写しても、カメラの位置を変えるだけで、写真の感じ方は大きく変わります。例えば、高い建物を上から見下ろすように写すと、意外にも建物の高さは感じにくく、まるで模型のように小さく見えてしまうことがあります。逆に、下から見上げるように写すと、建物は空に向かって高く伸び、その大きさを強く感じさせる写真になります。

このように、カメラの位置を高くしたり低くしたりするだけで、写真の印象はがらりと変わります。これを、高い位置から写すことを「高い視点」、低い位置から写すことを「低い視点」と言います。高い視点で写すと、広い範囲が写り込み、全体の様子がよく分かります。低い視点で写すと、被写体が大きく力強く見え、存在感を出すことができます。

写真の雰囲気を変えるには、被写体のどの部分を目立たせたいか、どんな感じの写真にしたいかをよく考えることが大切です。例えば、小さな花を可愛らしく写したい時は、低い視点から見上げるように写すと、花びらの繊細な形や色合いがよく分かります。逆に、広大な景色を雄大に写したい時は、高い視点から見下ろすように写すと、空の広がりや風景の奥行きを感じさせることができます。

最適なカメラの位置を見つけるには、色々な場所から被写体を見てみるのが一番です。少しだけ位置をずらしたり、かがんでみたり、背伸びをしてみたり。そうすることで、今まで気づかなかった被写体の魅力や、新しい発見があるかもしれません。普段何気なく見ているものも、カメラの位置を変えるだけで、全く違った姿を見せてくれるはずです。色々な視点から被写体を探ることで、写真の表現は無限に広がります。ぜひ、色々な視点で写真を撮ることを楽しんでみてください。

視点 写真の印象 適した被写体
高い視点 広い範囲が写り込み、全体の様子がよく分かる。模型のように小さく見える。 広大な景色
低い視点 被写体が大きく力強く見え、存在感を出すことができる。花びらの繊細な形や色合いがよく分かります。 小さな花

平凡な写真を避けるには

平凡な写真を避けるには

私たちは普段、目線の高さで物事を見ています。そのため、カメラも同じ高さで構えて撮った写真は、見慣れたありふれたものになりがちです。ありきたりな写真から抜け出し、記憶に残る一枚を撮るには、目線の高さ以外からの撮影に挑戦することが大切です。

高い位置から見下ろすように撮ることを想像してみてください。これを高い視点からの撮影といいます。高い視点からの撮影は、被写体を小さく見せたり、周りの景色を広々と見せる効果があります。例えば、たくさんの人が集まるお祭りで、人の波や屋台の並び全体を写し込みたい時に効果的です。また、普段は見上げている花壇の花々を真上から捉えることで、花びらの模様や色の重なり合いといった、新しい発見があるかもしれません。

反対に、低い位置から見上げるように撮る低い視点からの撮影も効果的です。低い位置からの撮影は、被写体を大きく力強く見せる効果があります。例えば、小さな花を根元から見上げるように撮ると、普段は見過ごしてしまうような小さな花びらの一枚一枚までしっかりと写し出し、力強い生命力を感じさせる写真になります。また、建物を見上げるように撮れば、空に向かってそびえ立つ壮大な姿を捉えることができます。

高い視点と低い視点だけでなく、被写体を斜めから捉えるのも一つの方法です。真正面から撮るのではなく、少し斜めにカメラを構えるだけで、被写体に奥行きが出てきます。例えば、まっすぐな道も斜めから撮影することで、奥行きが出て、まるで自分がその場にいるかのような臨場感を与えることができます。

まずは、被写体の周りをぐるりと回って、様々な角度から観察する癖をつけましょう。そうすることで、今まで気づかなかった被写体の魅力や、光と影の美しい関係、背景との組み合わせなど、様々な発見があるはずです。色々な角度から観察することで、自然と被写体の最も美しい瞬間、最も魅力的な角度を見つけることができるようになります。

視点 効果
高い視点 被写体を小さく見せたり、周りの景色を広々と見せる 祭り会場の人波、花壇の花々
低い視点 被写体を大きく力強く見せる 小さな花、建物
斜めの視点 被写体に奥行きを出す まっすぐな道