一眼レフカメラの未来?電子ビューファインダーの世界

一眼レフカメラの未来?電子ビューファインダーの世界

写真について聞きたい

先生、「EVF」って、何のことですか?カメラでよく聞く言葉なんですけど、よくわからなくて。

写真研究家

ああ、「EVF」は「電子式ののぞき窓」のことだよ。カメラをのぞいた時に見える、写真を撮るための画面のことだね。小さな液晶画面に写った映像を見ているんだよ。

写真について聞きたい

普通ののぞき窓と何が違うんですか?

写真研究家

昔ながらのカメラののぞき窓は、レンズから入った光をそのまま見ているんだけど、「EVF」は電気の力で画面に映像を作っているんだ。だから、明るさや色合いを調整した映像を見ることができるんだよ。

EVFとは。

写真や動画を撮るときに使う『電子ビューファインダー』について説明します。『電子ビューファインダー』は『EVF』と略して書くこともあります。液晶画面に映った映像を、ファインダーでのぞくことで、被写体を確認できます。

電子ビューファインダーとは

電子ビューファインダーとは

電子式の覗き窓、いわゆる電子ビューファインダー(略して「EVF」)は、最近のデジタルカメラでよく見かける技術です。一眼レフカメラでは、レンズを通ってきた光を鏡で反射させ、五角柱を通して覗き窓に像を映していました。これは光学式ファインダーと呼ばれ、肉眼で見ているのとほぼ同じ像が見られるのが特徴です。一方、EVFは小さな液晶画面に像を映し出します。カメラが捉えた映像を、即座に小さな画面に表示する仕組みと言えるでしょう。

EVFを使うと、撮影前に仕上がりイメージを確認できます。例えば、絞りやシャッター速度を変えると、画面の明るさやボケ具合が変化します。これらの設定変更による効果を、撮影前に確認できるのは大きな利点です。また、画像の明るさや色合いなども調整でき、設定した通りの写真が撮れるので、撮影後の編集作業も減らせます。さらに、暗い場所では画面の明るさを自動で上げてくれるので、被写体を確認しやすくなります。光学式ファインダーでは、肉眼で見づらい暗いシーンでも、EVFなら画面が明るく表示されて構図を決めやすいのです。

EVFは小型軽量なので、カメラ全体の小型化にも貢献しています。光学式ファインダーに比べて部品点数が少なく、カメラの設計自由度も高まります。表示画面に様々な情報を重ねて表示できるのもEVFの利点です。例えば、ピントが合っている部分が色で表示されたり、水平器が表示されて傾きを確認できたりします。このように、EVFは様々な情報を画面に表示することで、撮影を支援してくれるのです。最近では、高精細で滑らかに表示できるEVFも増えてきており、光学式ファインダーに迫る自然な見え方も実現しています。

項目 説明
仕組み カメラが捉えた映像を小さな液晶画面に表示
仕上がり確認 絞りやシャッター速度を変えると、画面の明るさやボケ具合が変化するのを撮影前に確認可能
設定反映 画像の明るさや色合いなども調整でき、設定通りの写真が撮れる
暗所撮影 画面の明るさを自動で上げてくれるので、被写体を確認しやすい
構図確認 暗いシーンでも画面が明るく表示されて構図を決めやすい
サイズ・重量 小型軽量でカメラ全体の小型化に貢献
情報表示 ピントが合っている部分の色表示や水平器など、様々な情報を画面に表示して撮影を支援
表示性能 高精細で滑らかに表示できるEVFも増えてきており、光学式ファインダーに迫る自然な見え方も実現

見え方の違い

見え方の違い

光学式ファインダーと電子ビューファインダー(EVF)では、被写体の見え方が大きく異なります。光学式ファインダーは、レンズを通ってきた光を鏡やプリズムで反射させて、直接目で見ます。そのため、肉眼で見た景色とほとんど変わらず、自然な色合いや明るさで被写体をとらえることができます。まるで窓を通して見ているような感覚です。特に動く被写体の場合、遅延なく見えるため、スポーツ写真や野生動物の撮影に有利です。

一方、EVFは、撮像素子がとらえた画像を電子的に処理し、小さな画面に表示する仕組みです。初期のEVFは画面のきめが粗く、表示が遅れる、色が不自然に見えるといった欠点がありました。しかし、技術の進歩は目覚ましく、近年のEVFは高精細な表示を実現しています。また、表示の遅延も大幅に改善され、動きの速い被写体でも滑らかに追従できるようになりました。EVFの最大の利点は、設定変更の効果をすぐに画面で確認できることです。絞りやシャッター速度、ISO感度などを変えると、画面の明るさや色合いが変化します。撮影前に仕上がりのイメージを確認できるため、思い通りの写真を撮ることができます。さらに、ピントの拡大表示や露出の警告表示など、便利な機能も搭載されています。

光学式ファインダーは自然な見え方、EVFは多機能性と利便性が特徴です。どちらを選ぶかは、撮影者の好みや撮影シーンによって異なります。それぞれの長所と短所を理解し、自分の撮影スタイルに合ったファインダーを選びましょう。

項目 光学式ファインダー 電子ビューファインダー (EVF)
見え方 肉眼で見た景色とほぼ同じ、自然な色合いや明るさ 撮像素子が捉えた画像を電子的に処理して表示、設定変更の効果をリアルタイムに確認可能
表示遅延 なし 初期のものは大きかったが、近年大幅に改善
利点 動きの速い被写体の撮影に有利 設定変更の効果を確認可能、ピント拡大表示、露出警告など便利機能搭載
欠点 設定変更の効果が確認できない 初期のものは画面のきめが粗く、表示が遅れ、色が不自然だった
その他 まるで窓を通して見ているような感覚 技術の進歩により高精細な表示を実現

利点

利点

電子式のファインダー(EVF)には、撮影前に設定の効果を確認できるという大きな利点があります。カメラの絞り、シャッターを開ける長さ、そして写真の明るさを決める感度(ISO感度)といった設定を調整すると、ファインダーに映る景色も瞬時に変わります。まるで魔法の鏡のように、設定の効果がリアルタイムで確認できるので、色々な組み合わせを試しながら、その場で最適な設定を見つけることが容易になります

また、EVFはピント合わせや写真の明るさの調整をスムーズに行う手助けもしてくれます。ピントが合っているかどうか、写真の明るさが適切かどうかをファインダーで直接確認できるので、撮影作業全体が効率化されます。例えば、暗い場所ではファインダー内の画像も暗くなりますが、感度を上げたり、シャッターを開ける時間を長くしたりすることで、どのように明るさが変化するのかをすぐに確認できます。

さらに、EVFには便利な補助機能が搭載されていることが多く、撮影をサポートしてくれます。例えば、撮影したい部分を拡大表示する機能を使えば、細部までピントが合っているかを確認できます。また、明るさの分布を示すグラフ(ヒストグラム)を表示する機能を使えば、写真の明るさをより正確に調整できます。これらの機能を活用することで、より精密な撮影が可能となります。EVFは、まるで写真家の相棒のように、撮影を多方面から助けてくれる頼もしい存在と言えるでしょう。

EVFの利点 詳細
撮影前設定効果の確認 絞り、シャッタースピード、ISO感度などの設定変更による効果をファインダーでリアルタイムに確認できるため、最適な設定を見つけやすい。
ピント合わせと明るさ調整の効率化 ファインダーでピントと明るさを直接確認できるため、撮影作業全体がスムーズになる。暗い場所でも設定変更による明るさの変化を確認しやすい。
便利な補助機能 拡大表示機能でピントの確認、ヒストグラム表示機能で明るさの精密な調整が可能。

欠点

欠点

電子式の覗き窓は、便利な反面、弱点もいくつか抱えています。まず第一に、映し出される景色は電気仕掛けで作られたものなので、光を使った昔ながらの覗き窓のような自然な見え方とは違います。特に、素早く動くものを追いかける時は、表示の遅れが目立ち、狙った瞬間を捉えられないこともあります。

次に、電池の減りが早いことも問題です。電気仕掛けであるがゆえに、電気を多く使うのです。長い時間撮影する時は、予備の電池を必ず用意しましょう。そうでないと、肝心な場面で電池切れを起こし、シャッターチャンスを逃してしまうかもしれません。

さらに、明るい場所では画面が見にくいという難点もあります。晴天の屋外などでは、画面が白っぽく見えてしまい、被写体や設定を確認するのが困難になる場合があります。このような状況では、外付けの覗き窓が必要になることもあります。外付けの覗き窓は、画面の明るさや視認性を向上させるのに役立ちますが、別途購入する必要があるため、追加費用が発生することを覚えておきましょう。

これらの欠点は、電子式の覗き窓を使う上で避けて通れないものです。しかし、技術の進歩とともに、表示の遅延や電池の持ちといった課題は徐々に改善されています。購入する際は、それぞれの製品の特性を理解し、自分の撮影スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

弱点 詳細 対策
表示の不自然さ 電気仕掛けのため、光学式のような自然な見え方ではない。特に動きの速い被写体には表示の遅れが目立つ。 製品の特性を理解し、許容範囲かどうか検討する。
電池の消耗が早い 電気を多く使用するため、電池の減りが速い。 予備の電池を必ず用意する。
明るい場所での視認性 晴天時など、画面が白っぽく見づらく、被写体や設定の確認が困難。 外付けの覗き窓(別途購入が必要)を使用する。

今後の展望

今後の展望

写真撮影を取り巻く景色は、技術の進歩によって大きく変わりつつあります。中でも、電子ビューファインダー(EVF)の進化は目覚ましく、カメラの未来を大きく左右する存在と言えるでしょう。

かつては光学式ファインダー(OVF)が主流でしたが、EVFは年々性能を向上させており、OVFに匹敵、あるいは凌駕する性能を持つようになってきました。OVFはレンズを通して直接被写体を見ているのに対し、EVFは撮像素子の映像を電子的に表示しています。この違いが、両者の特徴を大きく分けています。

EVFの大きな利点の一つは、撮影結果を事前に確認できることです。設定した絞り値、シャッター速度、ISO感度などが反映された映像を、撮影前に確認できるので、思い通りの写真を撮ることができます。露出やホワイトバランスの調整も、リアルタイムで確認しながら行えるため、撮影後の修正の手間を省くことができます。また、ピントの確認も容易に行えます。特に暗い場所での撮影では、OVFではピント合わせが難しい場合でも、EVFは明るく表示されるため、正確なピント合わせが可能です。

EVFは表示できる情報量の多さも魅力です。撮影設定だけでなく、ヒストグラムや水準器、グリッド線なども表示できます。これらの情報は、構図の決定や露出の調整に役立ちます。さらに、撮影した画像をすぐに再生して確認できるのもEVFの利点です。

技術の進歩は留どまることを知らず、EVFの解像度はますます向上し、より鮮明で自然な映像表示が実現されています。表示速度も高速化し、タイムラグはほとんど感じられなくなっています。また、省電力化も進んでおり、バッテリーの持ちも改善されています。

このように、EVFはOVFの利点を吸収しつつ、独自の進化を遂げています。将来的には、EVFがOVFに完全に取って代わる可能性も十分に考えられます。より高画質、高機能なEVFの登場により、写真表現の可能性はさらに広がり、私たちを新たな写真の世界へと導いてくれるでしょう。

項目 説明
電子ビューファインダー(EVF)の進化 カメラの未来を左右する大きな変化。OVFに匹敵、または凌駕する性能を持つまでに進化。
EVFの利点1:撮影結果の事前確認 設定した絞り値、シャッター速度、ISO感度などが反映された映像を撮影前に確認可能。露出やホワイトバランスの調整もリアルタイムで確認でき、撮影後の修正の手間を省ける。暗い場所でのピント合わせも容易。
EVFの利点2:豊富な情報量の表示 撮影設定だけでなく、ヒストグラム、水準器、グリッド線なども表示可能。構図決定や露出調整に役立ち、撮影画像の即時再生も可能。
EVFの進化の方向性 解像度向上、表示速度の高速化、省電力化が進んでいる。
EVFの将来性 OVFに完全に取って代わる可能性も高く、写真表現の可能性をさらに広げると期待される。

まとめ

まとめ

撮った物がそのまま写るのが、昔ながらの覗き窓式ファインダーです。これに対して、電子ビューファインダーは電気を使って映像を映し出す仕組みです。それぞれに良さがあり、向き不向きがあるので、よく理解して使い分けることが大切です。電子ビューファインダーの大きな利点は、撮る前に写真の仕上がりを確認できることです。明るさや色合い、ピントの具合などを画面で見てから写せるので、失敗が少なくなります。また、撮った写真の明るさを調整するための数値や、水平かどうかを示す線なども表示できるので、より正確な撮影が可能です。さらに、暗い場所では画面を明るく調整して見やすくできるので、覗き窓式ファインダーでは見えにくい被写体も捉えることができます。一方、電子ビューファインダーは電気を使うため、電池の持ちが悪くなることがあります。また、動きが速い被写体を写す際に、映像が少し遅れて表示される場合もあります。覗き窓式ファインダーは電池を必要とせず、被写体の動きも遅れることなく捉えられます。ただし、撮る前に写真の仕上がりを確認することはできません。それぞれの長所と短所を理解した上で、撮影する場面や被写体に合わせて使い分けることで、より良い写真が撮れるようになります。技術は常に進歩しています。電子ビューファインダーもこれからますます進化し、写真の撮り方を変えていく力を持っていると言えるでしょう。電子ビューファインダーは単なる覗き窓の代わりではなく、新しい表現を生み出すための画期的な道具と言えるかもしれません。

項目 覗き窓式ファインダー 電子ビューファインダー
仕上がりの確認 不可 可能
明るさ/色合い/ピント調整 撮影後 撮影前
正確な撮影 不可 可能
暗い場所での撮影 見えにくい 画面を明るく調整可能
電池 不要 必要
動きの速い被写体 遅れなし 遅れる場合あり